釜石市議会 > 2015-06-25 >
06月25日-04号

  • "ニチイ"(/)
ツイート シェア
  1. 釜石市議会 2015-06-25
    06月25日-04号


    取得元: 釜石市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-09
    平成27年  6月 定例会(第4号)            平成27年釜石市議会6月定例会会議録---------------------------------------          平成27年6月25日木曜日--------------------------------------- 議事日程 第4号   平成27年6月25日(木) 定例会         午後1時会議を開く第1 本日の会議録署名議員の指名第2 市政に関する一般質問(続)  9 (1) 被災者支援について            6番 細田孝子議員    (2) 認知症対策について    (3) 空き家対策の促進について    (4) 公共交通について  10 (1) 福祉行政について             5番 坂本良子議員    (2) 子どもの医療費助成の拡充について    (3) 公共交通行政について    (4) 東日本大震災後の生活基盤について  11 (1) 復興に向けた釜石のまちづくりと課題    8番 小鯖利弘議員                                     以上--------------------------------------- 本日の会議に付した事件第1 本日の会議録署名議員の指名……………………………………………………… 158第2 市政に関する一般質問(続)  9 (1) 被災者支援について            6番 細田孝子議員……〃    (2) 認知症対策について                 〃  …… 159    (3) 空き家対策の促進について              〃  …… 160    (4) 公共交通について                  〃  ………〃  10 (1) 福祉行政について             5番 坂本良子議員… 174    (2) 子どもの医療費助成の拡充について          〃  …… 175    (3) 公共交通行政について                〃  …… 176    (4) 東日本大震災後の生活基盤について          〃  ………〃  11 (1) 復興に向けた釜石のまちづくりと課題    8番 小鯖利弘議員… 189--------------------------------------- 出席議員(18名)                 議長   海老原正人君                 副議長  平野弘之君                  1番  木村琳藏君                  2番  遠藤幸徳君                  3番  菊池秀明君                  4番  合田良雄君                  5番  坂本良子君                  6番  細田孝子君                  7番  古川愛明君                  8番  小鯖利弘君                  9番  和田松男君                  10番  菅原規夫君                  11番  赤崎光男君                  12番  川崎勇一君                  13番  菊池 孝君                  15番  佐々木義昭君                  16番  水野昭利君                  17番  松坂喜史君 欠席議員(1名)                  14番  山崎長栄君--------------------------------------- 説明のため出席した者         市長           野田武則君         副市長          若崎正光君         副市長          山崎秀樹君         総務企画部長       正木隆司君         市民生活部長       大久保孝信君         保健福祉部長       千葉 敬君         産業振興部長       古澤茂樹君         建設部長         洞口政伸君         危機管理監        赤崎 剛君         復興建設技監       小友光晴君         復興推進本部事務局長地域包括ケア推進本部副本部長                      田中 透君         総合政策課長復興推進本部事務局次長                      佐々木 勝君         総務課長         熊谷充善君         震災検証室長       臼澤 渉君         財政課長         高橋康明君         市民課長         板沢英樹君         地域づくり推進課長    見世健一君         健康推進課長       千葉 裕君         高齢介護福祉課長地域包括支援センター所長                      佐々木 孝君         都市計画課長       長野 勝君         会計管理者        吉田 均君         復興住宅整備室長     三浦康男君         生活支援室長       小池幸一君         水道事業所長       栗澤成雄君         教育長          佐藤 功君         教育次長         菊池久彦君         教育委員会総務課長    村井大司君         学校教育課長       佐々木 猛君         監査委員         野田喜一君--------------------------------------- 事務局職員出席者         事務局長         古川至言         事務局次長        山田裕子         事務局次長        大森俊一---------------------------------------               午後1時会議を開く ○議長(海老原正人君) 本日の出席議員は18名で定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 欠席の届け出は14番山崎長栄さんの1名であります。 直ちに本日の会議を開きます。本日の議事は、お手元の議事日程第4号により進めます。 暑い方は上着を脱いでも結構です。--------------------------------------- ○議長(海老原正人君) 日程第1、本日の会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員には会議規則第81条の規定により、議長において10番菅原規夫さん及び13番菊池孝さんを指名いたします。--------------------------------------- ○議長(海老原正人君) 日程第2、市政に関する一般質問を行います。順次質問を許します。 6番細田孝子さん、登壇を願います。  〔6番細田孝子君登壇〕 ◆6番(細田孝子君) 一般質問も3日目となりまして、質問項目も幾らか重なっている部分があるかと思いますが、既に通告いたしておりますので、御了承いただきたいと存じます。 それでは、通告に従い質問いたします。 初めに、被災者支援についてであります。 やっと、仮設住宅、あるいはみなし仮設住宅から復興公営住宅へと転居がされ始めています。これまで仮設住宅等での生活では、生活応援センターの見守りスタッフを初め、社協の生活支援相談員仮設団地支援連絡員が仮設団地内のコミュニティーづくりや孤立防止、あるいは引きこもり対策の活動等をすみ分けながら、被災者への支援が行われてまいりました。今後も、仮設団地の集約化や復興公営住宅への転居が続いてまいりますが、これまでのコミュニティーが変化することから、仮設団地や復興公営住宅においての見守り体制の強化と充実が必要であり、きめ細かな心のケアが重要になるものと考えます。そこで、この先における対策についての所見を求めます。 さて、計画されている復興公営住宅の3割が整備され、およそ400世帯の方々が新たな住まいでの暮らしを始められています。復興公営住宅に入居された方々への見守り等の対応はどのようにされてこられたのか。特にも、26年度は復興住宅ライフサポート事業を実施されていますが、その取り組み状況と成果についてお聞かせいただくとともに、今年度においても26年度同様の活動がなされているのかお伺いいたします。 仮設団地及び復興公営住宅の自治会運営についてお尋ねいたします。 初めに、仮設団地自治会の運営についてであります。復興公営住宅の建設が進むにつれて、仮設住宅を転出される方がふえ始め、仮設団地ごとの入居者数もばらつきが出てきております。団地によっては、これまで役員を引き受けてくださった方の転居も見られ、自治会運営への影響も考えられますが、世帯数の減少した仮設団地での自治会のあり方や今後の対応についての考え方をお伺いいたします。 復興公営住宅の自治会についてお尋ねいたします。 整備された復興公営住宅の中には、公営住宅が整備された地域の地元町内会への加入をしている世帯、あるいは、単独で自治会を設立した公営住宅団地があるかと存じます。特にも、単独での自治会の立ち上げは、さまざまな理由から困難であると仄聞いたしておりますが、さきの定例議会での当局答弁では、入居者とコミュニケーションをとりながら、地域づくり推進課や釜援隊と連携し、自治会づくりを進めたいとのことでありました。現在取り組んでいるところがあれば、進捗状況についてお聞かせ願います。あわせて、既に立ち上げられた自治会の運営状況と課題についてもお伺いいたします。 認知症対策についてお尋ねいたします。 国は、本年1月、認知症対策を国家的課題と位置づけ、「認知症施策推進5か年計画~オレンジプラン」を強化した「認知症施策推進総合戦略~オレンジプラン」を策定いたしました。新オレンジプランの基本的な考え方としては、認知症の人の意思が尊重され、住みなれた地域のいい環境の中で、自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すとのことであります。 当市におきましても、平成24年に策定されたオレンジプランを受け、これまで認知症サポーター養成講座の開催や認知症ケアパスの作成など、認知症の人やその家族を地域で支える体制づくりに取り組まれております。さらに、この新オレンジプランが策定されたことによって、当市の取り組みがどのように強化されていくのかお聞かせ願います。また、認知症地域支援推進員の現在の取り組みと教育現場での取り組み状況についてもお伺いいたします。 運転能力の評価に応じた高齢運転者の交通安全の確保についてお伺いいたします。 今月11日、75歳以上の高齢者に対する運転免許制度を見直す改正道交法が可決、成立をいたしました。これによって、2017年6月までに施行されることになります。このたびの改正は、75歳以上の運転者に対する認知機能検査を強化することによって、判断力や記憶力の低下による事故を減らすことを狙いとしており、あわせて、認知症の有無や進行の程度を適切に確認することも目的とされています。 急がれるのは、高齢者が買い物や通院などをする際の足を確保することでありますが、同時に、運転に不安を感じながら運転免許証を返納できない方への対策も必要ではないかと考えます。この法改正によって、運転免許の取り消し、または免許停止される方が出てくることが予測されます。他市では自主返納を希望した方に対して優遇措置がとられているところもありますが、検討されてはいかがかと存じます。所見をお伺いいたします。 空き家対策についてお尋ねいたします。 人口減少や固定資産税の減額措置、あるいは高齢化などによって空き家が全国的にもふえ続け、社会問題化をしておりましたが、昨年11月に空き家対策特措法が成立いたしております。これまでも、この課題につきましては、同僚議員もたびたび取り上げてまいりましたが、先月26日に全面施行となりましたことから、改めて質問をさせていただきます。 空き家の存在は、当市にとりましても課題の一つでありますが、まず、空き家対策を効率的に実施するために、建設、都市計画、防災、衛生、景観、税務等にわたる関係各課との連携体制は速やかに構築したいとのことでありましたが、既に機能されているのか、また、空き家等対策計画の策定と協議会の組織化は図られたのでしょうか。実態の把握調査、データベース化はどの程度進んでいるのか、さらには、民間と提携した「空き家バンク制度」の創設を検討すべきと考えますが、あわせてお答えいただきたいと存じます。 公共交通についてお伺いいたします。 当局は、26年度末に、平成27年度から平成32年度までの6年間を計画期間とした釜石市地域公共交通計画を策定されました。そこで、初めに、人口減少・高齢社会における公共交通のあり方について、基本的な考え方をお聞かせいただきたいと存じます。 策定されました地域公共交通計画には、大きく分けて4つの基本方針とそれを達成させるためのプロジェクトが示され、スケジュールが組まれています。そこで、現在の取り組み状況と課題についてお尋ねいたします。あわせて、過日、平成27年度で終了とされておりました国の補助事業が全額国費で継続する方向で検討されているとの報道がありました。これによる計画の変更はあるのかについてもお伺いいたします。 以上、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(海老原正人君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 細田議員の御質問にお答えをいたします。 仮設団地及び復興公営住宅における今後の見守り体制強化と心のケアについての御質問でございます。 復興公営住宅への入居や自力再建世帯の増加に伴い、仮設住宅からの退去が今後ますます増加する一方、個人においては、いまだに再建の見通しの立たない方、おおよその再建スケジュールは決まっているものの、宅地引き渡しや自宅建築までに相当の期間を要するため、仮設住宅での生活を余儀なくされる方がおられます。また、仮設住宅のコミュニティーも世帯の減少で弱体化し、引きこもり等に対する団地内の見守り機能が低下するなどの問題も起きつつあります。 このような問題を未然に防ぐためにも、仮設団地支援連絡員生活応援相談員ボランティア団体等と行政がこれまで以上に連携しながら、相談・協力体制を強化し、仮設団地自治会の見守り機能維持のため、自治会運営の下支えを行ってまいります。 復興公営住宅につきましては、仮設団地に比べて周りからの目が行き届きにくいことから、孤立や引きこもりが生じることが懸念されます。このため、各地区生活応援センター保健師社会福祉協議会生活支援相談員が共同で世帯調査を行い、支援が必要な世帯については、訪問頻度を決め、定期的な訪問を実施しております。また、復興公営住宅の集会所を利用して、社会福祉協議会ボランティア団体の協力をいただきながらサロンなどを開催し、孤立や引きこもりの防止に取り組んでまいります。さらに、日常生活の中で見守りを進めるためには、入居者同士の交流が重要であることから、入居者の自主的な交流活動や自治会づくりの活動を支援してまいります。 また、仮設住宅や復興公営住宅の見守り訪問活動においては、金沢医科大学並びに金沢工業大学より寄贈された「命のきずなカプセル」を積極的に活用したいと考えております。「命のきずなカプセル」は、金沢医科大学が命名した名称で、一般的には緊急医療情報キットと呼ばれております。かかりつけ医や持病などの医療情報を専用の容器に入れて、自宅の冷蔵庫などに保管しておくことで、急病の際、救急隊員などがカプセルを確認できる仕組みとなっております。 心のケア対策につきましては、全国心理業連合会、岩手県臨床心理士会、岩手県こころのケアセンターなどの協力を得て、各地区生活応援センターと連携し、家庭訪問や個別相談、サロン活動等に取り組んできたところであります。 また、秋田大学の協力を得て、悩んでいる人に気づき、話を聞いて必要な支援につなぐ、いわゆるゲートキーパーの養成にも努めており、これまでに110名が養成講座を受講されております。現在、ゲートキーパーは、身近な人の話を聞くなど個人での活動や、地域でサロンを開催するなどの自主的な活動を行っており、活動が充実してきているものと認識をしております。 被災された方々への心のケアにつきましては、仮設住宅から復興公営住宅へ転居される方々がふえ、生活環境が変化する中で取り組むべき重要課題であると捉えておりますので、今後とも、関係機関や支援団体の協力を得ながら、きめ細かい対応に努めてまいりたいと存じます。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き、関係部長等が答弁をいたします。 ○議長(海老原正人君) 市民生活部長。  〔市民生活部長大久保孝信君登壇〕 ◎市民生活部長(大久保孝信君) 私からは、復興公営住宅の自治会についてなど、5件の御質問にお答えします。 まず、復興公営住宅の自治会についての御質問ですが、自治会は、入居者同士が公営住宅での課題を整理し、一人一人が自発的にすべきことや共同生活のルールを明らかにする上で必要な組織であり、孤立や引きこもり防止につながる入居者間の交流や見守り活動においても、なくてはならないものと考えております。 自治会設立までには、まず、入居者同士の顔合わせの交流会を開催し、役員を引き受けていただく方を募りながら設立準備会を開催し、規約の策定や役員体制を確立するといった作業が必要となります。 このような取り組みについて、社会福祉協議会ボランティア団体、釜援隊などの御協力をいただきながら、平成26年3月には野田、12月には上中島復興住宅Ⅰ期、平成27年5月には平田に自治会が設立されております。また、平成27年3月から入居の上中島復興住宅Ⅱ期では、7月初旬に第1回目の入居者間の交流会を開催することとなっております。今後も、入居者同士の顔合わせとなる交流会などを開催し、自治会の必要性について認識していただきながら、各支援団体などと連携して自治組織の設立を支援してまいります。 また、設立された自治会の運営状況につきましては、定期的に役員会を開催し、ごみ集積所や住宅内の環境整備の活動、新年会の開催、周辺の町内会と合同で盆踊りを企画運営するなど、自主的な取り組みを行っているところもあります。課題としては、自治会活動に参加する人がまだまだ少ないこと、周辺の町内会と良好な関係を維持するための手だてが必要であることが挙げられます。 今後も、各地区生活応援センターが中心となり、協力いただける社会福祉協議会ボランティア団体、釜援隊などと連携しながら、自治会運営のサポートや周辺の町内会との連携・交流を促すなど、コミュニティー形成の支援を行ってまいります。 次に、運転免許証自主返納者への優遇措置の検討についての御質問ですが、加齢に伴う身体機能の低下や判断力の衰えを要因とする高齢者の交通事故が増加していることから、運転免許証の自主返納制度が平成10年に施行されました。 運転免許証を自主返納した方については、運転免許証と同じ大きさで、身分証明書のように用いることができる運転経歴証明書を申請し、交付を受けることができます。この運転経歴証明書を提示することで、現在市内では、三陸鉄道の運賃半額や、タクシー料金1割引などの優遇措置が受けられます。県内の一部自治体においては、高齢者が免許証を返納しやすい環境を整えるため、独自の優遇措置を実施していることから、当市におきましても、交通事業者を初め、さまざまな事業者の協力を得ながら、優遇措置の実施について検討してまいります。 次に、空き家対策における関係各課の連携体制の状況について、及び空き家対策計画の策定と協議会設置の進捗についての御質問ですが、本年5月26日に空家等対策の推進に関する特別措置法が全面施行となり、国土交通省及び総務省から「『特定空家等に対する措置』に関する適切な実施を図るために必要な指針」も示され、各自治体が特定空き家に対する助言、指導、勧告、命令、代執行を行うための判断基準等が示されました。本年6月1日には国土交通省による説明会に出席し、本法の趣旨や今後の対応について理解を深めてきたところであります。 庁内における連携体制につきましては、本年5月に庁内関係各課による会議を開催し、各課が連携して取り組むことを確認しております。本年7月には県において説明会が開催されることから、県としての市町村の支援のあり方や予算措置の状況等の確認を行うとともに、空き家対策計画の策定に向け、地域住民や学識経験者等にて構成される協議会の設置も検討いたします。 次に、空き家の実態調査とデータベースの整備状況と空き家バンク制度創設についての御質問ですが、空き家の実態調査につきましては、平成24年度に実施し、調査戸数1万1288戸のうち空き家は397戸で、割合は3.5%でありました。今後、現在の空き家の実態について再度調査を行い、特定空き家に該当するかどうかの視点も含め、データベースの整備を進めていきたいと考えております。 空き家バンク制度につきましては、空き家の有効活用やU・Iターンの観点から積極的に活用している自治体もあることから、当市においてどのような空き家があるのかについて現状把握を行った上で、検討してまいります。 次に、人口減少、高齢社会における公共交通のあり方の基本的な考え方についての御質問ですが、近年の急速な少子高齢化の進展や、自動車に頼った生活形態への移行により、バスや鉄道を初めとする公共交通利用者の減少が進み、地域公共交通の維持が困難な状況となってきております。 しかし、このような状況においても、自動車を運転できない高齢者や学生などは地域公共交通が必要であり、誰もが安心して公共交通を利用して外出できるまちをつくることの重要性は、これまで以上に増しているものと考えております。 このため、平成27年3月に地域公共交通計画を策定し、「誰でも安心してお出かけできる交通体系を構築」との理念のもと、取り組みを進めております。現在の取り組み状況については、オンデマンドバスの運行を初め、鉄道やバスの乗り継ぎ機能の強化に向けた検討、交通マップの作成、バス停へのソーラー街灯の設置などを進めているほか、今年度上半期には、各地区での意見交換会や待合環境の実態把握などを行う予定としております。課題といたしましては、公共交通の利用者をふやす取り組みや交通事業者における運転手の確保などが挙げられます。 次に、国庫補助の継続による公共交通計画の変更はあるのかとの御質問ですが、この補助事業である特定被災地域公共交通調査事業につきましては、当市では、全額を市内路線バスの運行経費に充てており、震災以降、被災者の負担軽減を目的に、定額運賃での運行や路線の延長などを行っております。 地域公共交通計画では、国の補助金支援終了も見据えて策定していることから、大きな計画の変更はありませんが、補助事業が継続するかどうかにより、プロジェクトや具体的な取り組みの見直しや改善が必要になると考えております。今後も、国庫補助の動向を注視しながら、全ての市民が将来にわたり安心して暮らし続けられるよう、持続可能な公共交通の維持・確保に努めてまいります。 ○議長(海老原正人君) 保健福祉部長。  〔保健福祉部長千葉敬君登壇〕 ◎保健福祉部長(千葉敬君) 私からは、復興住宅ライフサポート事業について等、4件の御質問にお答えをいたします。 まず、復興住宅ライフサポート事業についての御質問ですが、この事業は、被災者の方が仮設住宅等から復興公営住宅に移り、新たな地域コミュニティーが構築されていない環境の中で生活をすることになるため、引きこもりや孤独死を防止することを目的として、訪問による安否確認やサロン事業、相談業務等を行うもので、平成25年2月から、上中島復興住宅1号棟54戸と野田復興住宅32戸を対象に開始いたしました。平成26年度は、平田復興住宅126戸を対象に加え、3カ所で事業を実施しております。 この事業の実施に当たっては、地域包括支援センター及び各地区生活応援センター職員、市社会福祉協議会の職員が連携の上、世帯調査を実施し、支援の必要な世帯を把握して、その状態に応じた訪問頻度などの対応を決定し、個別の支援や引きこもり対策のサロン事業を行っております。平成26年度の実績は、個別支援として1522件の訪問活動を行い、誰でも参加ができるサロン事業は174回の開催で、延べ1152人が参加をしております。また、復興住宅入居者の総合相談は延べ145件、連絡調整等は延べ1219件となっております。 この事業の実施により、要援護世帯の見守りや復興公営住宅入居者と地域とのコミュニティー形成、入居者の生活上の課題の発見に努め、被災された方々の生活支援につなげることができたものと考えております。 今年度の見守り等の対応についてでありますが、復興住宅ライフサポート事業による見守りではなく、市社会福祉協議会が行う生活支援相談員事業と連携して、上中島復興住宅Ⅱ期の156戸を対象に加え、引き続き、被災された方々の見守りと支援を行っていくこととしております。 次に、新オレンジプランの策定を受けた当市の認知症対策強化の取り組みについての御質問にお答えいたします。 新オレンジプラン認知症施策推進総合戦略は、65歳以上の高齢者に対する認知症の人の割合が、現状の約7人に1人から約5人に1人に上昇する見込みとされている平成37年をめどに、認知症の人の意思が尊重され、できる限り、住みなれた地域のいい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会を実現するために、国が策定したものであります。 新オレンジプランの主なポイントとされているのは、1つ目が医療・介護等の連携による認知症の人への支援、2つ目は、認知症の予防・治療のための研究開発、3つ目が認知症高齢者等に優しい地域づくりの3項目となっております。 当市といたしましては、医療と介護等が連携して、できる限り早期の段階で認知症を発見して治療に結びつけられるよう、今後、認知症地域支援推進員や認知症初期集中支援チームを配置し、支援体制を強化してまいりたいと考えております。また、認知症サポーター養成講座の開催や認知症ケアパスの活用を広げていくことで、認知症に対する正しい知識の普及啓発に努め、認知症高齢者等により優しい地域づくりを進めてまいります。 次に、認知症地域支援推進員についての御質問ですが、認知症地域支援推進員は、認知症の人ができる限り住みなれたいい環境で暮らし続けることができるよう、地域の実情に応じて、医療機関、介護サービス事業所や地域に支援機関をつなぐ連携支援や、認知症の人やその家族を支援する相談業務等を行うものです。 新オレンジプランでは、平成30年度までに全ての市町村に認知症地域支援推進員を配置することとされておりますことから、認知症対策について、他の関係機関との連携等、総合的に判断しながら、体制の整備に向けて取り組んでまいります。 次に、学校教育等における認知症等高齢者への理解に対する取り組み状況についての御質問ですが、これまでも市内の小中学校で認知症サポーター養成講座を開催し、子供たちが認知症についての理解を深められるよう努めており、今年度は白山小学校での開催を計画しているところであります。今後も、認知症に対する理解だけではなく、高齢者に対して思いやりやいたわりの気持ちを持って接することができるような人間形成の一環として、小中学生を対象とした講座を開催してまいります。 ○議長(海老原正人君) 復興推進本部事務局長。  〔復興推進本部事務局長地域包括ケア推進本部副本部長田中透君登壇〕 ◎復興推進本部事務局長地域包括ケア推進本部副本部長(田中透君) 私からは、世帯数が減少した仮設団地自治会のあり方及び、今後の対応についての御質問にお答えします。 現在、市内の仮設団地において49団地で、一部合同も含めて自治会が組織され、13の団地では既存の町内会に編入するなど、仮設団地全体の95%で自治会が組織されております。その他、応援職員が多く被災入居が少ない数団地に関しては、自治会組織はなされていない状況にあります。 仮設団地での自治会が発足後、自治会活動を円滑に推進するために、市からの自治会活動運営費の補助や、支援団体の活動の提供が定期的に実施されております。その結果、自治会の自主性が活発になり、自発的な活動が多く展開されたことにより、入居者間の交流や隣近所の見守り活動が図られたことに、改めて自治会活動の必要性を感じております。 そうした中、震災より4年が経過し、自治会長等役員を担っていただいた方々が復興公営住宅や自力再建により退去し、新たな役員体制での自治組織を構築しなければならない状況の中、次の担い手が不足していると伺っております。これまでの自治会活動を踏まえ、心のよりどころとしている入居者もいることから、継続された自治会活動は必要と考えており、そのため、担い手不足や活動の展開等で今後の自治会活動に支障が生じる場合、前向きな解決が図れるよう、仮設団地自治会に寄り添ったサポートを行いますし、仮設住宅団地支援連絡員も仮設団地自治会活動の補助を業務の一つとしておりますので、側面で支えていくことに努めてまいります。 そのほか、集約に伴い転居先で入居者の増加となる場合、新たな自治会活動が展開されるよう働きかけも行ってまいります。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。 ◆6番(細田孝子君) それでは、再質問をさせていただきます。 初めに、被災者支援についてお伺いしたいと思います。 先ほど、市長答弁で、被災された方々の心のケアについて、仮設住宅から公営住宅に転居される方々がふえ、生活環境が変化する中でのきめ細かい対応の取り組みは、重要課題と捉えているというふうに話されました。私も、全く同じ認識であります。 そこでお伺いしたいと思いますが、26年度まで復興住宅ライフサポート事業が実施されていました復興公営住宅3カ所の訪問状況について、訪問が必要な世帯は何世帯あったのか、また、それの増減というのはあったのか、お伺いします。 それから、今年度はライフサポート事業ではなく、社協が行う生活支援相談員事業で行っていくということなんですが、現在、上中島Ⅱ期の世帯調査というのを進めておられるかと思います。現時点で構いませんので、支援が必要な世帯はどのぐらいあるのかお聞きいたします。 ○議長(海老原正人君) 高齢介護福祉課長。 ◎高齢介護福祉課長兼包括支援センター所長(佐々木孝君) 私からは、平成26年度における復興公営住宅の訪問世帯数の把握の関係をお答えいたします。 まず、団地ごとに御説明しますと、上中島復興公営住宅Ⅰ期は、対象が54戸のうち、訪問が必要な世帯は25世帯、それから、野田復興公営住宅につきましては、32戸のうち、対象が15戸。これにつきましては、月々動きますけれども、平均的なところの数字で報告させていただきます。それから、平田復興住宅は126戸のうち39戸が対象というふうになっておりまして、この中でAからEと5段階に振り分けておりまして、Aが週3回、Bが週1回、Cが月2回、Dが月1回、Eが3カ月に1回というふうになっておりまして、この中で、ほとんどがC、D、Eの月2回、月1回、3カ月に1回といったところが多くなっております。 それから、この事業につきましては、平成27年2月から実施しておりますので、おおむね1年間の事業ということですので、増減ということにつきましては、この訪問以外のところのサロン事業なんかのほうで充実してきているというふうに認識しております。 以上です。 ○議長(海老原正人君) 地域づくり推進課長。 ◎地域づくり推進課長(見世健一君) 上中島Ⅱ期の世帯調査状況についてお答えいたします。 調査は、生活応援センターの保健師と社会福祉協議会生活支援相談員が共同で行っております。世帯調査は、5月末のデータですけれども、入居世帯数は145世帯、調査済み世帯は84世帯、引き続き、訪問調査は継続中です。 世帯調査の結果、支援の必要な世帯には、訪問頻度を決めまして、見守り訪問活動をしていくこととしております。訪問頻度が、月2回訪問、月1回訪問、3カ月に1回訪問の見守り訪問が必要と思われる世帯は39世帯となっており、うちほとんどが3カ月に1回訪問の状況です。週1回以上の訪問が必要な世帯というのは、現段階ではないとのことです。今後も、支援の必要な世帯には、見守り訪問活動を行ってまいります。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。
    ◆6番(細田孝子君) わかりました。 今、26年度に行ったライフサポート事業で、野田、上中島Ⅰ期、平田という部分で、まず数値を聞いたわけなんですが、5段階に分けてある、週1で通わなければならないというふうな判定をされた世帯がどのくらいあるのかお伺いします。 それから、復興住宅ライフサポート事業は、新年度当初予算では、復興住宅等包括ケア体制整備事業として予算が計上されていたかと思います。それがつかなかったということなんですが、なぜこの予算がつかないことになったのか、その事情についてお聞かせいただきたいと思いますし、また、復興住宅ライフサポート事業と今年度社協が行う生活支援相談員事業の大きな違いというのはどういう点なのか、お伺いしたいと思います。 ○議長(海老原正人君) 高齢介護福祉課長。 ◎高齢介護福祉課長兼包括支援センター所長(佐々木孝君) 3点御質問があったと思います。 まず1点目なんですが、週1回の訪問頻度の方はということですので、こちらのほうは1人ということになっております。 それから、事業の実施に当たりまして、今までの復興住宅ライフサポート事業じゃなくなったということについての説明ですが、復興住宅ライフサポート事業は、県からの補助金を受けて実施しておりましたが、このメニューが平成26年までとなっておりましたことから、県が岩手県社会福祉協議会のほうへ助成により実施しております生活支援相談員事業に組み込んで、実施するということになったものであります。 それから、大きな違いでありますが、平成26年度は市が市の社会福祉協議会のほうに委託するというふうな形の委託事業で行っておりましたが、今回の事業につきましては、県が県社協に助成をし、県社協のほうから市の社協に委託するということになっておりますので、県社協の事業ということになります。しかしながら、この実施に当たりましては、岩手県、それから、県の社会福祉協議会、市の社会福祉協議会と市が協議を行いまして、できるだけこれまでどおりの活動ができるように進めるということで意思統一をしております。 以上です。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。 ◆6番(細田孝子君) わかりましたが、例えば、体制、ライフサポート事業も実質は1年間ということですし、また、上中島もまだ世帯調査をしている最中なので、これから進めてみないとわからない点があるかと思うんですが、これまでの県からのメニューがなくなったということが、これからの見守りの体制に大きく影響しないかなという部分がとても危惧するところなんですが、その点についてお伺いいたします。 ○議長(海老原正人君) 高齢介護福祉課長。 ◎高齢介護福祉課長兼包括支援センター所長(佐々木孝君) 先ほども御説明した中で、岩手県の担当課、それから、実際に助成を受けております県の社会福祉協議会の担当のほうとも十分に話をしながら、打ち合わせをして、支障が出ないように、できるだけ今までどおりの成果を上げられるような形ということでお願いをして、了承されておりますので、できるだけこれからも、そういったところがマイナスにならないように申し入れをしながら、お願いをしながら、一緒に取り組んでいきたいと思っております。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。 ◆6番(細田孝子君) 次に、仮設住宅や公営住宅の見守りの訪問の際に、金沢医科大学などから寄贈された「命のきずなカプセル」を活用していきたいということでしたが、これは平成22年に他自治体の取り組みを、私がちょっと紹介させていただいて提案しました緊急医療情報キットと同じようなものだということなんですが、全く同じなのかどうなのか、違いがもしあれば、教えていただきたいと思いますし、今現在、どのぐらいの方がそれを使っていらっしゃるのかお伺いいたします。 ○議長(海老原正人君) 健康推進課長。 ◎健康推進課長(千葉裕君) それでは、「命のきずなカプセル」についての御質問にお答えいたします。 議員御指摘の当時のカプセルとどのように違うのかということですけれども、まず、状態としては、ほとんど同じものでございます。現在、「命のきずなカプセル」については、被災地支援の一環として、金沢医科大学並びに金沢工業大学から、平成25年8月に1000セット寄贈されております。この寄贈された1000セットにつきましては、これまでに要援護者、あるいは仮設住宅のひとり暮らしの高齢者などに対して、700セット配布しているところでございます。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。 ◆6番(細田孝子君) この情報キットについて、震災前は実際に利用されたことがあったということを伺っておりますが、震災後は、このキットを使われたケースということはあったのでしょうか。その利用状況についてお伺いいたします。 ○議長(海老原正人君) 健康推進課長。 ◎健康推進課長(千葉裕君) お答えいたします。 先ほども申しましたとおり、平成25年8月に寄贈されておりますので、応援センターを通じて仮設住宅の方々にも、先ほど申しました700セット、これを配布したところでございます。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。 ◆6番(細田孝子君) 質問が悪かったと思うんですが、救急隊員が救急で使われたことがあったかどうかということをお伺いしました。 ○議長(海老原正人君) 健康推進課長。 ◎健康推進課長(千葉裕君) 失礼いたしました。 そのような報告は把握しておりません。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。 ◆6番(細田孝子君) もし後でわかったらば、教えていただきたいと思います。 次に、認知症対策についてお伺いいたします。 今後、認知症地域支援推進員や認知症初期集中支援チームを配置し、支援体制の強化を図るということの答弁がありました。たしか、この地域支援推進員ですとか初期集中支援チームという方々は、保健師ですとか、いろいろな資格が必要だったかと思うわけなんですが、以前の答弁では、第6期介護保険計画の中でこの体制を整えていきたいという答えだったかと思うんですが、今現在どういう形で進んでいるのか、その進捗状況についてお伺いいたします。 ○議長(海老原正人君) 高齢介護福祉課長。 ◎高齢介護福祉課長兼包括支援センター所長(佐々木孝君) 今現在の進捗状況ということですが、こちらにつきましては、人選とかいろいろありますけれども、まず、平成30年からは全部の市町村で設置するということになっておりますが、この対象者というか、人選について、これからいろいろな関係機関と話をしながら、協力をしていただけるのか、その辺も相談しながら、御意見も伺いながら決めていくというふうな段階でございます。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。 ◆6番(細田孝子君) この答弁は、去年の12月からしています。確かに、このチームをつくる以外でも、今現在でも、そういう保健師さんですとか、看護師さんとかは不足していますので、人選をするのがとても厳しいというのはよくわかるんですが、今答弁がありましたように、平成30年度までには配置するということに、ちょっと逃げているような答弁にも聞こえます。一生懸命頑張ってはおられるかと思いますが、でも、釜石市の高齢化もですし、認知症の数も年々ふえている状況にあって、何とか一日も早くそういう体制づくりは整えていただきたいと、そのように思うわけです。今の答弁が、これ以上の答弁がもしかしてないのかもしれませんが、ぜひ、これは速やかに体制を整えるような体制をつくっていただきたいと、そのように思います。 今回の新オレンジプランでは、認知症の人やその家族の視点を重視するという取り組みということで示されております。7つの柱の中には、認知症の人が必要としていることについての実態調査や、生きがいづくりを支援する取り組みの推進ですとか、あとは、認知症施策をつくる段階で、認知症の人やその家族の参画というのをされてもいいのではないかというふうなことも示されているわけなんですが、そういった取り組みは当市では進めていられるのかお伺いいたします。 ○議長(海老原正人君) 高齢介護福祉課長。 ◎高齢介護福祉課長兼包括支援センター所長(佐々木孝君) 認知症の方への理解を深めて、家族とか地域で見守るということの勉強会みたいなこともありますし、そちらのほうは認知症サポーター養成講座というものがあって、こちらのほうにつきましても平成18年度から行っておりまして、答弁のほうでもお答えしておりましたが、平成26年度までは1161件ということで、この中には小学校とか中学校とか、まだ若い学生から、そういったものに理解を深めていただくというふうなことも行っております。 それから、地域で支えるということの中には、SOSネットワークというのもありまして、こちらのほうは、今までも何度も御説明しておりましたが、釜石警察署のほうのシステムを使いまして、事前に登録していただいて、行方がわからない、徘回といったときには、そちらのほうのシステムを使って探していただくというふうなことも取り組んでおります。 それから、認知症高齢者家族介護支援事業といったものもありますが、家族会、認知症の人と歩む会、こちらのほうは平成22年度に設立しておりまして、これまでも取り組んでおりますが、正会員28名、準会員18名、賛助団体19団体というふうな形で、市の全体的なことで取り組んでおります。 以上です。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。 ◆6番(細田孝子君) 課長は、いろいろ、今取り組んでいる状況をお話ししていただきましたが、認知症の人を単に支える側というふうに考えるのではなくて、認知症の人が認知症とともによりよく生きていくような環境づくりを進めるというのが、今回の新オレンジプランだと思います。その意味でも、認知症の方が今何を必要としているか、そういった実態調査であれば、そういう資格のない方でもできると思います。 奥州市で認知症カフェというのがされているんですけれども、ほかの地域でも認知症カフェというのはあるんですが、それはなぜ開かれるようになったかといいますと、認知症の方が、自宅かもしくはデイサービスの施設という感じで、自分の居場所がそれしかないと。認知症の方と認知症家族の方が気軽に集える場所というものをつくろうと、居場所づくりということでこの認知症カフェというのができているんですが、やはり、認知症の方が何を望んでいるかということを調べた上で進めていただきたい。資格のある方を見つけるのはなかなか難しいと思いますが、できるところから何とかその対策を練っていただきたいと、そのように思います。 次に、認知症の早期発見・早期治療ということで、今までも話されてきました。以前には物忘れタッチパネルというのを導入してはということも提案しましたが、予算はつかなかったわけなんですが、現在、市のホームページで「こころの体温計」というものをチェックする項目がありますが、その中に認知症チェックというのを追加をして実施してはどうかと思うんですが、それについてお伺いいたします。 ○議長(海老原正人君) 高齢介護福祉課長。 ◎高齢介護福祉課長兼包括支援センター所長(佐々木孝君) 「こころの体温計」につきましても、検討してまいりたいと思います。あと、市のほうで認知症ケアパスというものをつくっておりまして、この中にもチェック項目とか、いろいろありますので、各応援センターの窓口のほうに配布しておりますので、こちらも活用していただければと思います。 以上です。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。 ◆6番(細田孝子君) 次に、教育現場の取り組みについてお伺いいたします。 今年度は白山小学校を予定しているということですが、これまでも認知症サポーター養成講座が開催されたという答弁でありました。どこの学校でされてきたのかお伺いいたします。 ○議長(海老原正人君) 高齢介護福祉課長。 ◎高齢介護福祉課長兼包括支援センター所長(佐々木孝君) お答えいたします。 平成25年には平田小学校が52名、唐丹小学校が50名、白山小学校が18名ということになっております。それから、平成27年度は、白山小学校のほうで実施する予定ということで、打ち合わせをしております。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。 ◆6番(細田孝子君) 答弁では、認知症に対する理解だけではなく、高齢者に対する思いやりやいたわりの心を持つ人間形成の一環としても行っていきたいという答弁でありましたが、私も全くそのとおりだと思います。以前、学校現場での講座という部分を提案した際に、最終的には校長先生の判断だということで答弁をいただいたかと思いますが、ぜひ、教育委員会からも、もっと学校長に対して強く勧めていただくことはできないものかと、そのように思うわけですが、それについていかがでしょうか。 ○議長(海老原正人君) 学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐々木猛君) 認知症にかかわっては、まず、学校の学習内容については学習指導要領のほうに定められておりまして、現在、認知症のみに特化した内容や教科というふうなものはございません。ただ、これからの国の高齢化等を考えれば、やっぱり、認知症について、何らかの形で教育の場でも取り組んでいかなければならないというふうな方向は、まさに必要な課題だと思いますので、教育委員会としても、関係機関の実施する認知症に関する講座等について、大いに奨励、バックアップをしていきたいというふうに考えております。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。 ◆6番(細田孝子君) 新オレンジプランの中に、高齢運転者の交通安全の確保についても示されていまして、今回質問させていただいたんですが、自主返納者に対する優遇措置ということを考えたらどうかと言いましたらば、当市ではあるという答弁をいただきました。当局の中で、そういう優遇措置があるということを御存じだった方は、手を挙げていただけませんでしょうか。  〔執行部挙手〕 ◆6番(細田孝子君) お一人でした。私も、あるというのは全然知らなくて質問をさせていただいたんですが、やはり、周知が足りないなと、まず思いました。こういう優遇措置があるのであれば、もっと積極的に周知活動をすべきだと、そのように思います。 また、この優遇措置は、内容的には、本当に車を手放した方々の足の確保につながっているのかなと思いますと、ちょっと弱いのかなというふうにも感じます。三鉄ですと、本当に一部の地域の人しか使えませんし、タクシーの1割補助というのは結構大きいかもしれませんが、なかなかタクシーばかりは使っていられないということもあるかと思います。今後考えてはいくということでしたけれども、やはり、バス料金の補助というのが一番大きいのではないかと、そのように考えます。そういった部分はいかがでしょうか。 ○議長(海老原正人君) 市民課長。 ◎市民課長(板沢英樹君) 運転免許証の自主返納というのは、高齢者が今ふえているということもありまして、認知症までいかなくても、運転が結構大変だという方について、自主返納をした方については、免許証と同じような形のカードをお渡しして、それが身分証明書のかわりにもなるというものをやっているところでございます。 いろいろな優遇制度があるということですが、先ほど答弁の中でもお話ししましたけれども、三陸鉄道の2分の1とか、あとタクシーは1割引というのがありますが、県内でも、地域によっては、村でやっているバスとかの割引制度というのをやっているところも、一部あります。交通事業者としては、例えば、路線バスの会社なんかですと、それらの利用促進につながるかどうかというのを検討しながら、自分たちも導入するかという判断になると思うんですけれども、これから返納者がふえてくると思われますので、そういうところが民間事業者でもふえてくればいいと思いますし、例えば、釜石であればにこにこバスも運営していますので、その辺も、今、身障者の割引なども行っていますので、導入も検討してみたいと思います。 ○議長(海老原正人君) 細田孝子さん。 ◆6番(細田孝子君) 公共交通についてお伺いしたいと思います。 今年度上半期には、各地区での意見交換や待合環境の把握を行うとされておりますが、いつからされるのか、また、どういう単位で意見交換会を考えているのかお伺いいたしたいと思います。 また、その意見交換会の際に、当市は高齢化が顕著に進んでおりまして、被災地域だけではなく、市全体に、路線バスが通らない支線の対応というのがとても必要になってきているかと思います。そこで、兵庫県の豊岡市では、路線バスの走らない交通不便地域については、地域住民が構成する運営協議会が有償運送サービスというのを行って、住民の足の確保に努めて成果を出しているようです。例えば、当局でそういうスキームをつくって、意見交換会のときに一つの提案として提示されてはいかがかというふうにも考えるのですが、いかがでしょうか。 ○議長(海老原正人君) 市民課長。 ◎市民課長(板沢英樹君) 昨年、公共交通計画策定時に意見交換会を行いました。それも含めて、今年度も継続的に行っていきたいと思っています。開催単位につきましては、応援センター単位の8カ所をまず予定しておりますけれども、必要によっては、それ以上ふやしていくという形にもしたいと思いますし、昨年ちょっと参加者が少なかったということもありますので、その辺は町内会長の方々に直接依頼するなど、積極的に呼びかけながらやっていきたいと考えておりまして、8月ごろまでには開きたいというふうに考えております。 それから、有償運送の関係ですけれども、有償運送は、結局、協議会をつくった場合に取り入れることができるということになっていますけれども、ただ、法律上は、バスやタクシーの事業がなかなか入り込めないというようなことがある地域に限って、認められるというようなことになっていまして、その協議会の中には地元の交通事業者も入る形ですので、それらの公共交通事業者のほうで、ここまで自分たちはできないので民間のほうでやってくださいというような形で、認められればやれるというような形になっています。ただ、釜石市の場合、路線バスが結構奥まで入り込んでいますので、そこまでできるかどうかというのは、ちょっと検討してみないとわからないというような状況でございます。 ○議長(海老原正人君) 6番細田孝子さんの一般質問を終わります。--------------------------------------- ○議長(海老原正人君) 次に、5番坂本良子さん、登壇を願います。  〔5番坂本良子君登壇〕 ◆5番(坂本良子君) 日本共産党議員団の坂本良子です。 本日一般質問の最終日ということでありまして、この間の質問の中で私の質問が同僚議員の質問と一部重なる部分がありますので、御了承していただきたいと思います。 それでは、通告に従いまして一般質問を行います。 まず、福祉行政、子供の貧困について質問いたします。 厚生労働省の調査によりますと、子供の貧困率は平成24年に16.3%となり、子供の6人に1人が貧困と言われ、身近な問題となっています。平成25年、国の子どもの貧困対策基本法が全会一致で可決成立し、その後、基本法の課題や目標を示した子供の貧困対策に関する大綱が、平成26年8月に閣議決定されています。この法案では、政府には子供の貧困対策に関する大綱の制定が、都道府県には子供の貧困対策計画策定努力義務が課せられております。国の大綱については、社会経済情勢の変化、子供の貧困に関する状況の変化、本大綱に基づく施策の実態状況や対策の効果等を踏まえ、おおむね5年ごとをめどに見直しを検討するとなっています。大綱の中身は、教育支援を初め、40項目ほどのメニューはあるものの、貧困率を減らす数値目標もなく、実効性ある施策が乏しいものとなっております。 そうした中で、厚生労働省の補助事業を活用した取り組みを行っている鳥取県の米子市では、学習支援ボランティア事業として、貧困の連鎖を断ち切る・休日の居場所づくりが目的の「子ども☆未来塾」という無料で勉強ができる塾を運営しています。対象となる児童・生徒は、生活保護世帯の中学生とひとり親世帯の小学4年生から中学3年生までとなっており、2014年度に参加登録したのは、小学生13人、中学生23人の計36人ということでございます。この無料塾には、不登校傾向の児童・生徒が継続的に参加していることや、家に保護者が不在の休日の居場所になっているといった特徴があり、毎週土曜日の午後2時間行われています。保護者からのアンケートでは、「学習意欲の向上につながった」「進路の選択肢が広がった」などの言葉が寄せられているということです。米子市では、今後の課題として、発達障害や著しい学習のおくれなど、個別支援の必要なケースが予想以上に多いことから、参加する子供たちに対応できる支援員の確保が挙げられているということです。 近年、子供の貧困は、表面的にはその苦しさが見えにくくなっていると言われていますが、子供の貧困について、当市の状況はどのようになっているのかお聞きいたします。 次に、子供の医療費助成の拡充について質問をいたします。 2013年に内閣府が実施した家族と地域における子育てに関する意識調査では、若い世代で未婚・晩婚がふえている理由の47.4%が、経済的に余裕がないということでした。今後、子供を持つ場合の条件については、56.4%が働きながら子育てができる職場環境を挙げています。また、同年3月に内閣府が発表した子ども・子育てビジョンに係る点検・評価のための指標調査では、将来的に子供を(さらに)持つと考えたときの不安では、経済的負担の増加が70.9%と最も大きく、子供がいる人を対象に子育て全体を通じてかかる経済的な負担を尋ねたところ、医療費と回答したのは29.4%でした。母集団は異なりますが、2005年に内閣府が実施した少子化対策に関する子育て女性の意識調査で、経済的支援措置について望ましいものとして医療費の無料化を挙げた女性は45.8%でしたので、この差は8年間の子ども医療費無料化の拡大が、子育てに対する経済負担の軽減に大きく役立っていることを示しています。 そういう中で、岩手県は、子供の医療費助成を2015年8月から、入院に限り小学生まで助成対象が拡大されることになりました。2016年8月からは、就学前に限りますが、償還払いから現物給付が実施されることになりました。 当市は、県内で初めて乳幼児の医療費無料化を実現させ、子育て支援では先駆的な役割を果たしてきました。現在、子供の医療費の無料化は小学生まで拡大されています。昨年の9月議会で、私は、財政負担を検証する中で、中学生まで医療費の無料化を図ることについて質問をした経過があります。それについての当局の答弁では、対象を拡大した小学生の利用件数や医療費等の状況を参考にして対応したいと考えているが、実施から1年に満たないため、その実態把握ができていないことから、中学生までの医療給付については、今後の財政状況を見きわめ、優先度及び緊急度を勘案しながら判断したいと考えているとのことでございました。この間、1年半が経過していますが、子育ての経済的負担の軽減と子供たちの健康を守るためにも、ぜひ、中学生までの医療費の無料化を実施すべきと思いますが、お聞きいたします。 また、窓口負担なしの現物給付についても、昨年9月議会での当局の答弁では、医療機関との調整及び審査支払機関の対応が必要であり、単一市町村での対応は難しく、岩手県全体の対応が必要であることから、当面、現物給付方式への変更は困難であるとの答弁でございました。今回、岩手県は一部現物給付方式にしましたが、対象は就学前児童までということで、内容はまだまだ不十分なものとなっております。当市として、緊急時には手元に現金がなくても安心して病院にかかれるよう、窓口負担なしの現物給付方式に改善するとともに、小学生の所得制限の撤廃を図るべきと思いますが、当市の考えをお聞きいたします。 次に、公共交通行政について質問をいたします。 国の特定被災地域公共交通調査事業について、2016年度以降の方針が決まらないということが新聞等で報道されておりましたが、当市もこの国の補助事業を活用しながら、東日本大震災直後から無料バスとして、被災者・親族の安否確認や支援などのため、多くの方々の移動手段として利用されてきました。現在は、地域によっては、最高額で片道450円という自己負担がありますが、被災地域の住民の方からは、「予約制という不便さはあっても、それでもありがたいです」という言葉も寄せられております。 僻地の住民にとっての公共交通は、大震災前から、不便さとともに経済的な負担が大きかったことから、住民の足の確保は日常生活の切実な問題となっていました。ことし3月2日の議員全員協議会で示された釜石地域公共交通計画では、高齢者や障害者、学生を初めとする市民の日常生活を支える交通サービスを提供するということなどを掲げています。期間は平成27年から32年までの6年間としながら、復興事業計画の進捗・都市構造の変化や復興交付金、その他補助事業の終了等、社会情勢の変化に柔軟に対応するため、適宜見直し・改善を行うとしています。今回、2016年度以降の国の方針が決まらないという状況となっておりますが、このことによる特定被災地域公共交通調査事業に係る当市の公共交通計画への影響について、また、市民への影響についてお聞きいたします。 最近、教育センター前のバス停の待合室がなくなったために、バスを待つ利用者から大変不便になったという声があります。病院に来たついでに買い物をしようと思っても、買い物を済ませ、スーパーで時間を潰すにも限界があることから、結局は、買い物をすることをやめて、病院から直接家に帰るという人もいると聞きます。バスを利用する人は高齢者の方々も多く、特に、僻地から来る人にとっては、買い物がストレスの解消になっていると聞きますし、何よりも、強い日差しや風雨を避けるためにも、そして休める場所として、バス停の待合室はどうしても必要な設備だということです。教育センター前のバス停の待合室の撤去は一時的なものなのかどうか、撤去の理由と今後の対応についてお聞きいたします。 次に、東日本大震災後の生活再建について質問をいたします。 東日本大震災から4年が過ぎました。いまだ仮設住宅での暮らしを余儀なくされている被災者の方々にとって、復興公営アパートへの入居の実現は、日々の暮らしの心の支えとなっていますが、そうした中で、上中島Ⅱ期の復興公営住宅への入居がこの春の5月に実施されました。仮設住宅住まいから転居された被災者の方々の中には、ここがついの住みかと定めた方も多く、少しでも住み心地をよくしようと努力しながら暮らし始めております。 そうした中で、暮らしてみて初めて気づくことも多くあると聞きます。特に、高齢者の方には、台所の照明器具の取りつけ位置が高くて、スイッチの切りかえに手が届かないということや、プライバシーの問題から、ベランダ側に隣家との境が必要であることなどが出されていたようですが、この間の行政の対応で改善される方向であるということを伺っています。復興住宅の建設については、これまでに、平田を初め、野田地区や他の地域にも建設されてきておりますが、今回と同じ上中島地域には既に完成して入居されている方々もおられますし、そうした方々からの意見や要望などを参考にしながら、今後の建設に生かし、住まいの環境を充実させていくことが大切だと思いますが、当局の考えをお聞きいたします。 また、復興公営住宅に入居して初めて気がついたということの中に、電話回線工事に関することで、高齢者の方からNTTからの電話料金の請求書の金額が通常より多いという声がありました。請求書の内容から、電話回線が光回線電話工事であったために高額になったというものですが、この費用はインターネットを利用しないという方々にとっては、必要のない設備ではないかと思いますし、光回線の設備は、テレビや電話と同じように個人契約で行われるべきものではないかとの意見もあります。高齢者の方々には、年金生活の中で、転居に伴う出費も予想以上に大きくかかってしまったということもあり、その分、生活費を少しでも切り詰めたいという切実な声ですが、インターネットを利用しない入居者への光回線工事費の負担が生じた理由についてお聞きいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(海老原正人君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 坂本議員の御質問にお答えをいたします。 子供の貧困について、当市の状況はどのようになっているのかとの御質問でございます。 子供の貧困率とは、17歳以下の子供全体に占める、貧困線に満たない17歳以下の子供の割合のことをいい、貧困線とは、統計上一定の基準で算出された、生活に必要なものを購入できる最低限の所得をあらわす指標のことで、平成24年には、122万円となっております。 厚生労働省は、保健・医療・福祉・年金・所得など、国民生活の基礎的事項を調査する国民生活基礎調査を3年ごとに実施し、その結果をもとに子供の貧困率を公表しております。平成24年の値は16.3%で、この貧困率を子供がいる世帯主が18歳以上65歳未満の現役世帯について見ると15.1%、そのうち大人が1人の世帯が54.6%、大人が2人以上の世帯が12.4%となっております。 当市の子供の貧困の状況を示す国と同様のデータはありませんが、一つの目安として、給食費や修学旅行費などの就学援助を受けている小・中学生の割合を見ますと、要保護及び準要保護の認定者数が12%、被災による準要保護の認定者数が21%で、合わせると33%になります。 子供の貧困対策としましては、教育面や生活面での支援のほか、保護者への就労支援や経済的支援などが必要と考えられ、教育面では、要保護・準要保護の児童・生徒数が多い学校へ、主に学習面での充実を図るための教員の加配を行っております。 生活面での支援につきましては、当市の窓口において相談等があった場合に、担当部署や関係機関等が連携して対応するほか、生活保護の適用には至らないが生活が困窮している児童扶養手当受給者に対しては、生活保護受給者と同様に、ハローワークにおいて専任の相談員が、個々の状況に応じて就労支援を行っております。 また、経済的支援につきましては、各種医療費の助成や、兄弟同時入所の場合の第二子以降保育料の無料化、児童手当や児童扶養手当の適切な支給により、子育て家庭の経済的負担軽減を図っております。 このように、その世帯が置かれている状況に合わせた適切な支援を行うことが肝要でありますことから、今後も引き続き、関係機関と連携を深めながら取り組んでまいりたいと存じます。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き、関係部長等が答弁をいたします。 ○議長(海老原正人君) 市民生活部長。  〔市民生活部長大久保孝信君登壇〕 ◎市民生活部長(大久保孝信君) 私からは、中学生までの医療費の無料化についての御質問等、4件の御質問にお答えします。 まず、中学生までの医療費の無料化についての御質問ですが、高い乳幼児死亡率を減少させるための施策の一環として、昭和48年から始まった乳幼児医療費給付事業は、対象年齢を順次拡大し、平成16年10月からは就学前の児童を対象として医療費を給付してまいりました。さらに、平成25年10月からは、子供の健やかな成長を子育て世代の経済的負担の軽減を図るため、その対象を小学生まで拡大したところであり、平成26年度の小学生医療給付費は約620万円となっております。 これらの金額や利用件数などをもとに中学生の所要額を検討してみますと、給付費のみでも500万円程度が見込まれるほか、さらに、システム改修費用や審査集計に係る委託料など、事務費の増額が見込まれます。 以上のことから、医療費の給付を中学生まで拡大することについては、これらの財政負担を考えながら、子育て支援の観点からも検討していきたいと考えております。 次に、窓口負担なしの現物給付方式に改善するとともに、小学生の所得制限の撤廃を図るべきとの御質問ですが、岩手県は、医療費助成事業における現物給付について、子育て支援策の一環として、県内統一して、平成28年8月から未就学児及び妊産婦を対象として実施することとしております。小学生を対象とした現物給付化については、単一市町村では医療機関との調整及び審査支払機関の対応が困難であり、県内統一しての対応が必要となることから、今後、県に働きかけていきたいと考えております。 また、受益者負担につきましては、医療機関、調剤薬局ごとに、外来は月1500円、入院は月5000円となっております。ただし、受給者が3歳未満児及び所得判定において市町村民税非課税の方は自己負担がありません。なお、緊急での受診時に現金の持ち合わせがない場合や、手持ち金が不足した場合などは、後日、医療機関で精算する方法で病院にかかることは可能であります。 次に、小学生の医療費給付に係る所得制限の撤廃を図るべきではないかとの御質問ですが、現在、県内14市のうち、小学生の医療給付を行っているのは12市で、そのうち所得制限を設けていないのは5市となっております。現時点で、一定以上の所得がある方について、医療費を負担していただくことはやむを得ないものと考えますが、今後の財政負担を考慮しながら検討してまいります。 次に、2016年度以降の特定被災地域公共交通調査事業の方針が決まらないという状況で、当市の公共交通計画への影響、市民への影響がどのようになるかとの御質問ですが、まず、特定被災地域公共交通調査事業について、当市におきましては、震災以降、市内まるごとコミュニティバス事業として、市内路線バスの定額運賃制度の導入、運行本数の増便、運行経路の変更等を行い、仮設住宅を中心とした交通確保や利便性向上の取り組みに活用してまいりました。 当初の金額は、一市町村一律年3500万円でしたが、仮設住宅等の設置箇所数に応じ、最高6000万円まで引き上げられ、当市は、平成27年度4500万円の交付決定を受けております。震災前と比較し、路線バスの経路や便数が増加していることから、その経費は増加しておりますが、特定被災地域公共交通調査事業の補助金で賄えない部分については、当市の一般財源から支出しています。さらに、復興交付金を初めとする国からの補助金等は、今後縮小されることが予想されることから、そうなった場合、市内路線バスの通常運賃化や路線の減少などの対応が必要となり、市民への影響も生じると考えます。 なお、平成27年3月策定の地域公共交通計画は、国の補助金終了を見据えた計画としております。今後も、当市の負担や市民の方々の負担を抑えながら、公共交通のサービス水準を維持していくことを目指し、適正な運賃体系の構築や効率的な運行経路の設定などに取り組んでまいります。 次に、教育センター前のバス停待合室の撤去の理由と今後の対応についての御質問ですが、教育センター前のバス停待合室は、震災直後、無料バスやワンコインバスの起終点を全て教育センター前とし、利用者の乗降が非常に多くなったことから、企業からの無償支援として貸与された物件を活用し、設置したものであります。ユニットハウスの無償貸与期間は、当初は平成23年12月から平成25年12月までの2年間でしたが、企業の好意により平成27年3月まで契約期間を延長していただいておりました。今回の撤去は、この契約の終了により返却したものであります。 路線バスの待合環境の改善は、利用者の利便性向上には欠かせない案件と捉えており、釜石市地域公共交通計画でも主要なプロジェクトとして取り上げておりますので、交通事業者等の協力を得ながら、現状の把握と改善に取り組んでまいります。 ○議長(海老原正人君) 復興建設技監。  〔復興建設技監小友光晴君登壇〕 ◎復興建設技監(小友光晴君) 私からは、既に復興公営住宅に入居された方々からの意見や要望などを参考とし、今後の建設に生かす考えがあるか及び、復興公営住宅入居者のインターネット未利用者への光回線工事費負担が生じた理由についての御質問にお答えします。 まず、既に復興公営住宅に入居された方々からの御意見や要望などを参考とし、今後の建設に生かす考えがあるかとの御質問ですが、市内における復興公営住宅は、整備予定戸数約1300戸のうち、平成24年度完成の上中島復興公営住宅Ⅰ期から平成26年度末完成の唐丹片岸地区まで、9地区に402戸が完成している状況となっております。 建物完成後は、1年後と2年後に経年検査を行い、経年劣化によるふぐあいの検査とあわせて、住んでみて初めてわかる細部についての御意見、御要望などについて、入居者の方々からいただき、対応してまいりました。また、既に着工した住宅や今後建設する住宅についても、基本設計完了後に復興公営住宅を考える会を開催し、設計内容の説明と入居予定者の方々から御意見を伺う機会を設け、基本となる仕様はあるものの、可能な限り入居者の方々の御意見を取り入れたものとしております。 今回、上中島復興公営住宅Ⅱ期の入居者からいただいた御意見につきましても、内容を精査し、改善できるものについては対応することで、今後の整備に生かしてまいりたいと思います。 次に、復興公営住宅入居者のインターネット未利用者への光回線工事費負担が生じた理由についての御質問ですが、復興公営住宅における電話回線の引き込みについては、現在、光回線電話のサービス提供区域内に建設されるおおむね30戸以上の集合住宅は、平成25年10月から全て光回線電話での引き込みとするようNTT東日本から方針を示されているところです。 当市では、これまでの整備に当たり、入居者の皆様に御負担いただく初期費用、御利用いただく際の通話料負担、さらには建設費用の観点から判断し、この方針に沿って整備を進めてまいりました。具体的には、引き込みに係る初期費用として、契約料及び工事費などがありますが、これら費用は、一般回線でも同程度の負担を生じるものであり、回線による差異はないものであります。また、入居者の皆様の通話料については、光回線では全国一律料金での設定となっており、携帯電話への通話料も一般回線と比較して低額となっているものです。さらには、建設費用におけるケーブル敷設費の圧縮が図られるなど、これらの総合的な観点から判断し、整備の進捗に努めてきたところです。 今回の整備内容については、部屋決めの抽せん会時に行った入居説明会において、NTT東日本担当者にも出席していただき、説明を行ったところですが、内容的に理解することが難しい部分も含まれていたと思われ、結果的に、入居者の皆様の不安・不満を助長する結果を招いてしまったことを深く反省し、今後の入居説明会ではより丁寧な説明を行い、入居者の理解を得られるよう努めてまいります。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(海老原正人君) 坂本良子さん。 ◆5番(坂本良子君) それでは、再質問をいたします。 まず初めに、子供の貧困について質問をいたします。 答弁では、当市の子供の貧困状況を示す国と同様のデータはないけれども、一つの目安として、給食費や修学旅行費などの就学援助を受けている小・中学生の割合から、要保護及び準要保護合計で33%という割合を示しています。当市は、子供が給食費や修学旅行費の就学援助を受けていることで、いじめを受けるということや不登校になるということはなかったのかどうか、お尋ねいたします。 また、教育面について、要保護・準要保護の児童・生徒数の多い学校へ、主に学習面での充実を図るために、教員の加配を行っているとのことですが、どのような形で対応をされているのかお尋ねいたします。 ○議長(海老原正人君) 学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐々木猛君) お答えいたします。 まず、就学援助を受けることによって、いじめや不登校になるケースはなかったかという御質問でありますが、まず、このようなケースが学校教育の中に絶対にあってはならないものだというふうに考えております。それを踏まえて、各学校においては、慎重に、きめ細かな対応をしていただいておりまして、現時点では、御質問のありましたようないじめ、不登校に至るケースについては、起こっておらない状況でございます。 次に、加配に関する御質問でございます。 まず、各学校の教員定数につきましては、学級数に応じて定められることになっておりまして、さらに、国では、学校や地域の状況に応じて教育の充実を図るために、教員の増員、いわゆる加配をすることになっております。今年度から、国のほうでは、要保護・準要保護の児童・生徒数の多い学校に対して、学習面の充実を図るための加配を始めたところであります。 そこで、市教委としましては、教育事務所を通して県教委にこの加配を要請しまして、今年度1名加配をいただいて、1校に加配教員を配置しております。その活用の状況ですが、その学校では、加配の教員を活用しまして、授業でのサポートのほかに、例えば、放課後の時間を利用して希望する生徒に学習指導をしたり、また、検討中ではあるんですが、夏期休業のような長期休業中にも、その教員を利用しまして、勉強会を開くなどの活用を考えているところであります。 ○議長(海老原正人君) 坂本良子さん。 ◆5番(坂本良子君) 当市では、給食費とか、それから修学旅行費の就学援助を受けている子供に対してのいじめはないということでございますが、これは本当によいことだと思います。きめ細かな対応をされているということですので、これからもよろしくお願いいたします。 また、教員の加配の点では、今歩き始めたかなというふうな状況ですね。ですから、これからも、多分子供が中心の中での対応となると思いますので、ぜひ、これには努力していただきたいと思います。 次に、答弁では、生活保護の適用には至らないが生活が困窮している児童扶養手当受給者に対して、生活保護受給者等と同様にハローワークにおいて専任の相談員が、個々の状況に応じた就労支援を行っているということです。これは保護者に対する就労支援ということだと思いますが、家庭経済が安定していない理由にはそれぞれの事情があるとは思いますが、そういう中でも、子は親の気持ちを気遣いながら成長していきます。 子供の貧困対策法から2年が経過していますが、東京に、子供の貧困対策センター、一般財団法人「あすのば」という財団が設立されたという新聞報道がありました。この一般財団法人「あすのば」は、子供が貧困の連鎖から脱し、幸せな人生を送ることができる人に成長するように支援し、希望あふれる社会の実現に寄与するとした目的で、子供の貧困克服へ物心両面で支援するというものですが、そうした取り組みをする財団の中の6人の理事のうちの3人が、子供の貧困の当事者だった学生だということです。 当市の場合は、壇上でも申し上げましたが、米子市や東京のような取り組みをするような深刻な状況には至ってはいないということですが、子供の貧困に係るこうした取り組みについて、教育長の考えをお聞きいたします。 ○議長(海老原正人君) 教育長。 ◎教育長(佐藤功君) 経済的な理由による子供の貧困、これは、言語道断というか、子供の責任ではございません。即、ためらいなく、これは援助しなければいけない、子供を救わなければいけないということでございます。 私が一番心配しているのは、子供の貧困の中でも、しっかりした教育を受けられていない子供たち、学習の中身を習得できないでいる子供たちの心の貧困について危惧しております。本来、子供たちというのは、どの子も例外なく、一人一人、どの子もですが、伸びたい、高まりたい、そして、人のために役立ちたい、値打ちのある生き方をしたいと、どの子も例外なく思っているものですが、そういう期待をして学校教育を受けるんですが、その期待に応えられていない教育が、今、釜石ということではございませんが、全国的に随分多くなっているのではないのかということでございます。 学びたい、できるようになりたい、先生に認めてもらいたいという願いを持ちながら学校に来ているんですが、それがかなえられないために、子供たちは、だんだん孤独感、自己存在感を弱めながら、ひとりぼっち感を持ち、そして、自己否定感にまで落ち込んで、生きる意欲を失いつつある子供がふえていると、いろいろな調査結果から、そういう状況にあるんだろうなと思います。一見にこやかに笑顔で暮らしている子供たちも、内実は、非常に夢を失い、希望を持てないでいる子供たちがふえているのではないのかなと、私は感じております。 簡単に言えば、私は、学校教育にあると思っております。子供たちの願いを十分かなえられるような教育を、学習指導をしっかりできる教師を養成しないと、子供たちの心の貧困は解消できないだろうなと思っておりました。釜石も例外ではございません。子供たちに夢と希望を、そして生き抜く力をつけるために、学校の教師の指導力の向上、充実が一番の重要な課題と思っておりました。経済的な貧困よりも、学習指導をしっかり受けられないという子供たちの心の貧困について、十分強く取り組んでいく必要があるだろうなと捉えておりました。 ○議長(海老原正人君) 坂本良子さん。 ◆5番(坂本良子君) よくわかりました。やはり、子供は社会の状況とか家庭の環境を選んで生まれてくる、そういうことはできないので、やはり、裕福とか貧しいということとは無縁の環境で、伸び伸びと育つことが大切だと思います。そこからスタートで、切磋琢磨が始まるんじゃないかと思います。 次に、子供の医療費助成の拡充について質問をいたします。 平成20年12月議会で、中学生まで医療費の無料化を拡大した場合についての財源をお聞きいたしましたところ、平成20年5月1日現在の小学生の数が2036人、中学生が1080人の計算で、小学生を無料化した場合は3460万円、中学生の場合は918万円で、合計4378万円程度になるという計算でございました。先ほどの当局の答弁ですと、平成26年度の小学生の医療給付費は約620万円で、中学生は500万円ほど見込まれるということでございました。小学生、それから中学生を合わせても1100万円ほどということです。平成20年の計算と比較しますと、小・中合わせて3278万円も少なくなっております。生徒数についても、平成26年5月1日現在で小学生は1518人で、平成20年と比較しますと1080人減少していますし、中学生が904人で176人減少しています。財政負担を考えながら検討したいということですが、今は子供の医療費の無料化は、中学生から高校生にまで拡充している自治体もふえております。当市も、ぜひ子供の医療費助成を中学生にまで拡充することに踏み出すべきと思いますが、市長に改めてお聞きいたします。 ○議長(海老原正人君) 市長。 ◎市長(野田武則君) 中学生の医療費の無料化ということでございますけれども、議員におかれましては、たびたびこうした子供たちの医療費の充実について御提言がございまして、先ほど回答がございましたけれども、平成25年度に、やっと小学生の医療費の助成まで拡大できたということでございます。ただ、他の市町村から見るとおくればせながらということでございまして、大変申しわけなく思っているところでございます。 ただ、医療費の助成につきましては、単に無料にすればいいということではないんだろうと。そこにどんな理念があるのかということとあわせて考えながらやっていかなければならないのではないかなと、こう思っております。特に、中学生の場合は、今度は選挙権も18歳ということになりましたけれども、いかに市民の皆さんが主体的、自主的に考えながら、生活にかかわる、あるいは行政にかかわるということを学んでいくということが、やっぱり必要なのではないかなというふうに思っておりまして、したがって、財政の問題だけじゃなくて、中学生ぐらいであれば、みずから病気にならない努力をしていかなければならないだろうし、あるいはまた、けがとかそういったことも、自分で注意しながら生活をしていくと。そしてまた、もし病気になれば、当然医療費の負担という経済的な対価を払っていかなければならないという、生活上のさまざまな社会の仕組みということも学んでいかなければならないのではないかなという思いもあって、実は、なかなか踏み切れないでおったんです。 そういうことで、実は、先ほど議員のほうからお話がありましたとおり、そうはいっても、だんだんと、他の近隣の市町村におきましては、中学生まで拡大していくということが常識といいますか、当たり前の時代になってくる中で、なかなかそういった理論も通用しないわけでございます。そこで、実は、先ほど担当者のほうが検討するという話がありましたけれども、検討するというのは、やらないという意味での言いわけの検討ではなくて、前に一歩進むという意味での検討という言葉で使わせてもらっております。と申しますのは、来年度は、ぜひ、市民を挙げて健康づくり、あるいはまた、生き生きと暮らしていける、そういう地域づくりということに取り組めるような、そういう仕組みをつくっていきたいなと思って、実は、今担当のほうに指示を出しているところでございます。 これについては、例えば、釜石は3大疾病で亡くなる方が多い、それからまた、医療費におきましても、岩手県下でも上位にあるというふうなこと。ずっとここ数年そういう傾向が続いている中で、あるいはまた、議員の皆さんからもそういったいわゆる健康寿命、こうした仕組みづくり、あるいはまたスポーツによるまちづくりを掲げている以上、市民の皆さんのそうした体力づくり、健康づくりというものも大切だろうと、こういう御提言をずっといただいているところでございます。そういう観点から、医師会からも実は提言をいただいているところでございまして、健康づくりのほうですけれども、こういう観点から、実は、来年度そういった取り組みができないかということで、今指示をしているところでございます。 要は、行政でやれることはやるよと、だけど、住民の皆さん、市民の皆さんもやれるところはやっていただきたいと。例えば、みずからの健康づくりとかそういったものは頑張っていただけないかということを、双方で、市のやるべきことと住民の皆さんにやっていただきたいこと、これを一緒に提示しながら取り組んでいきたいなと、こう思っているところでございます。そういう一環の中で、この中学生の医療費の無料化の拡充というところもぜひ検討していきたいものだなと、こう思っているところでございます。やるやらないということではないんですが、やりたいと、やるにはどうしたらいいかという方向で今検討をさせていただいているというところで、ぜひ御理解をいただければありがたいと思います。 ○議長(海老原正人君) 坂本良子さん。 ◆5番(坂本良子君) 健康づくりの中で、中学生の医療費の助成の拡大のことも考えていきたいということのようですけれども、基本的なところでいいますと、病院にかかれないという人たちのためにどうするかという問題です。健康づくりは、個人的に、自分の身を守るためとか、けがをしないようにというのは、これは当たり前のことで、そこにどう行政がかかわっていくかということであると思いますが、やっぱり、お金がなくてかかれないという、先ほどの貧困の問題もありましたけれども、そういうふうな流れの中での医療費の無料化ということで、結局、全国的にそれが拡大しているというのは、そういう社会状況になっているということだと思いますので、ぜひ、そういう観点から実現させていただきますように、よろしく検討をお願いしたいと思います。 次に、窓口負担なしの現物給付方式についてですが、緊急での受診時に現金の持ち合わせがない場合とか手持ち金が不足した場合、後日医療機関で精算する方法で病院にかかることは可能だという答弁でした。そうであれば、最初から精神的な負担を負わせる必要はないと思いますので、これで安心して病院にかかれるようにするということが必要ではないかと思いますが、当局の答弁では、現物給付化は単一市町村では医療機関との調整及び審査支払機関との対応が困難であり、県内統一しての対応が必要であるとのことですが、その困難と言われるシステム、先ほども何点かありましたけれども、その内容についてお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(海老原正人君) 市民課長。 ◎市民課長(板沢英樹君) 窓口負担なしの現物給付ということですけれども、現物給付というのは、窓口で支払わないで、かかった分は保険のほうから医療機関のほうに支払うという制度でございます。 システムにつきましては、もし、市のほうで単独でやる場合につきましては、システムのプログラムの変更が生じるということで、県内の医療機関のシステム改修費を市単独でその部分を負担しなきゃならないということです。内容としましては、例えば、市内の全ての医療機関の受益者負担額を管理できるシステムを、データを全部変えるためにプログラムを直すというのをこちらでやらなきゃならないとか、あとは、市の医師会との調整も必要になってくる。あとは、今は償還払いということでやっていますけれども、現物給付と併用できるシステム、一部償還払いがありますので、それらを区分けするシステム等を医療機関のシステムのほうも直さなきゃならないし、市のほうも直さなきゃならないということですので、市単独ですと、結構大変な負担になってくるということです。やるとすれば、まず、県で一括してやっていただけるのが望ましいということですので、今後もその辺は要望していきたいと思っています。 ○議長(海老原正人君) 坂本良子さん。 ◆5番(坂本良子君) 大変な費用がかかって、ちょっと難しいというような状況のようですが、自治体が率先してやるということに対して、国のペナルティーがあるということが大きなネックになっていると思います。ぜひ、県のほうに働きかけていきたいということですので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、所得制限の撤廃についてお尋ねいたします。 答弁では、県内14市のうち所得制限を設けていないのは5市ということで、現時点では、一定の所得がある方については、医療費を負担していただくことはやむを得ないとしています。しかし、現実は、中学生までの子供さんを持つ親の、高校生もそうです、大学生もそうですけれども、義務教育の中で考えていきますと、やっぱり、親も若いということもありますし、家庭経済が本当に厳しい状況にあるんだと思います。当市の場合、所得がどの程度だと医療費の負担が必要になるかということですが、この一定の所得とはどの程度と見ているのかお尋ねいたします。 ○議長(海老原正人君) 市民課長。 ◎市民課長(板沢英樹君) 所得制限につきましては、ケースによりましてちょっと違う場合もありますけれども、親と子のみの世帯の場合ですけれども、扶養家族が1人の場合は310万円が所得制限という形になっています。扶養家族が1人ふえるごとに38万円加算された金額ということですので、2人ですと348万円、3人だと386万円という形です。これは給与収入ではなくて所得のほうでございまして、一応、県の乳幼児基準と同じ所得制限の基準を採用しております。 ○議長(海老原正人君) 坂本良子さん。 ◆5番(坂本良子君) わかりました。これから結婚して子供を産んで育てていこうとする人たちにとっても、子育て支援の充実というのは、本当に暮らしの安心を保障するということにもなりますので、親の経済状況によって子供の受診が左右されることがなく、必要な医療が受けられるようにするためにも、やはり、所得制限はないほうがいいと思います。市は、今後の財政負担を考慮しながら検討してまいりたいということですけれども、ぜひ、実現の方向で取り組んでいただけますようお願いしておきます。 次に、大震災後の生活再建についてお尋ねをいたします。 当局の答弁では、これまで9地区に402戸の復興公営住宅が完成している状況であり、建物の完成後は、1年後と2年後に経年検査を行って、経年劣化によるふぐあいの検査とあわせて、住んでみて初めてわかる細部についての意見、要望などについて対応してきたとのことです。住宅の基本設計は、間取りなど共通する内容の部分はあると思いますが、施工業者によっては設備などの細かい点で多少の違いがあると思いますし、今回の入居者からの意見や要望はそういうところからのものだと思いますが、そういう点では、新たな意見ではなかったかと思います。今回改善の方向で対応されるということですので、入居者の方々は安心されていると思います。 仮設から復興住宅に移転した方々からよく耳にするのは、交流が少なくなったという声ですが、仮設住宅と違って、閉鎖的な住宅環境に戸惑いがあるようです。それぞれではありますが、特に、ひとり暮らしの高齢者の方の中には、人とかかわることに疲れている方もおられるようです。 引きこもった状況で人とかかわりを持たない方について、どうしているのかと心配している声もあります。安否の確認で定期的に見回りをされていると思いますけれども、留守の方も含めて、見回りした際の声がけに対応できないときの対策として、見回りが来たということを知らせる方法を考える必要があるのではないかと思います。例えば、当事者にわかるような、何かあったときの連絡先を書いた簡単で見やすいメッセージを置いてくるとか、何らかの方法で見守っているということを知らせることで、安心されていくことも必要ではないかと思います。既に対応されているとは思いますけれども、自治会ができていないところの復興住宅については、特に考えていく必要があるのではないかと思います。これについて御意見をいただきたいと思います。 ○議長(海老原正人君) 市民生活部長。 ◎市民生活部長(大久保孝信君) 復興公営住宅の見守り、訪問の関係なんですけれども、やはり、仮設住宅に比べて閉鎖的であるということで、阪神・淡路の例でも、孤立や引きこもり、そのような事例が生じてくるというのが言われております。そして、訪問活動にもなかなか出てこない方もおりますので、先ほど議員から提案されたように、いない場合にはメッセージを置くとか、引きこもっている方に対しても、訪問者が、あなたのことを遠くから見守っていますというメッセージを出していくということが、後でその方が出てきたときの支援にもなりますので、そういうきめ細かな対応をしてまいりたいと思います。 ○議長(海老原正人君) 坂本良子さん。 ◆5番(坂本良子君) ぜひ、よろしくお願いいたします。 光回線の工事費の負担についてですけれども、工事費の請求については、一般回線でも同程度の負担が生じるものということですし、携帯電話への通話料も一般回線と比較して低額となっているということのようです。こうした設備内容については、部屋を決める抽せん会のときの入居説明会で、NTT東日本の担当者も出席して説明したとのことですが、入居説明会に参加する方々にとって最大の関心事は、この抽せんに当たるかどうかということだと思います。特に、高齢者の方々にとって、なじみのない光回線工事についての説明は、自身のこととして捉えにくかったのではないかと思います。 こうした事柄について、例えば、入居者に鍵を渡すときとか、そういう機会などを捉えてでもいいと思いますので、入居後の混乱をなくすためにも、入居後に発生することが予測される事柄も含めた内容を知らせるためのものを発行するとか、そういう手だてを講じる必要があると思いますが、考えをお聞きいたします。 ○議長(海老原正人君) 復興住宅整備室長。 ◎復興住宅整備室長(三浦康男君) 貴重な御意見ありがとうございます。 議員御提言のとおり、鍵の引き渡しは入居に関する書類が整ってから、入居者が窓口においでになったときに行われているものでございます。大勢が集まる入居説明会とは違って、1対1で応対できる場でもありますので、このときに改めて、入居後に発生する費用負担について説明するなど、御高齢の方にも十分理解していただけるように、より丁寧な対応を今後も心がけてまいりたいと思います。 ○議長(海老原正人君) 5番坂本良子さんの一般質問を終わります。 暫時休憩いたします。               午後3時00分休憩---------------------------------------               午後3時30分再開 ○議長(海老原正人君) 休憩を打ち切って会議を再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を続行いたします。8番小鯖利弘さん、登壇を願います。(拍手)  〔8番小鯖利弘君登壇〕 ◆8番(小鯖利弘君) 今回の題は、復興に向けたまちづくりとその課題であります。 本来であれば、来年の春、ちょうど釜石のまちづくり基本計画が5年目、折り返し地点を迎えるものですから、そのときに一般質問としたかったわけでありますが、諸般の事情により、今回前倒しで質問することとなりました。 「希望の地図3・11から始まる物語」、この著者は、重松清であります。言わずと知れた、「とんび」や「流星ワゴン」を書いた方でありまして、3・11から、筆者は、福島、宮城、岩手の被災地を回り、いろいろなドキュメンタリーとして掲載し、3年前に出版した本であります。特にも、釜石での記述が思い出深いところがありまして、筆者は橋野、正確に言いますと、青ノ木を訪れるわけであります。何のために青ノ木かなと読んでいきますと、今から40年前ですかね、青ノ木に遊園地があったんです。その遊園地は間もなく閉園することにはなるんですけれども、その建設した地元の方は、子供たちに夢を持たせたい、夢を与えたい。その背景にある中で、実は、1964年に釜石に初めてのデパート丸光ができたわけです。その屋上には観覧車があり、ゴーカートがあり、小さな遊園地があって、子供たちにとって夢の場所であったわけであります。その丸光が閉店し、後にはダックシティ、東北ニチイと変わっていくわけですけれども、その中で、橋野の方は、どうしても子供たちに夢を捨てさせたくないということから決意するわけでありますが、私はその気持ちが非常に大事だなというか、非常に感心し、うれしく思いました。 「希望の地図」という内容で書いた筆者にとって、被災した東北がどのように変わっていくのかというのも、彼にとっての一つの物語であるんですけれども、我が釜石にとっても、釜石が夢を持って、希望の持てる釜石になっていくのが本来の姿なんだろうな、そういうふうに求めるというか、希望する次第であります。 今回の質問は、復興に向けたまちづくりと課題であります。4点項目があるんですけれども、ほとんど重複しております。質問しなくていいんじゃないかと思いますけれども、せっかくの機会でありますので、通告に従って質問いたします。 まず、まちづくりということの進捗状況でありますが、残念なことに、市長から、冒頭で報告がありました。内容は、多少重複しても構いませんので、御見解をお伺いいたします。そして、その報告の中にも、課題ということがあるということでしたけれども、具体的な課題は指摘されておりません。その課題は、具体的にはどういうものがあるのかお聞きいたします。 3点目ですけれども、復興事業費、政府は各自治体に1%から3%の地元負担を求めたわけであります。そのことについては、きょうのテレビや新聞にどっさり書かれていたものですから、自分でも答弁できるぐらいにはなっているんですけれども、せっかくですので、当局の御見解をお聞きいたします。 最後は、風化であります。 私も、この4年過ぎて、だんだん自分の中で風化が始まってきているというように感じております。特にも、黙祷したときに、最初は、亡くなった友人や知人、親戚なり、従業員の顔を思い出しながらしていたわけですけれども、今はただ目をつぶっている状況に来ているということ。それから、いろいろな課題が山積しているわけですけれども、何か自分の中でそれが遠いものになっていくような気がしております。新聞報道ではないですけれども、この前アンケート調査がありまして、昨年の6月だったでしょうか、各都道府県でもって、風化が始まっているかどうかというアンケートがありました。岩手と宮城は、「風化を感じる」「どちらかといえば感じる」という方が80%程度です。ただ、福島においては85%を超える方が「風化をしている」「自分は風化を感じる」というように答えておったわけであります。 風化する要因としては、多分年月があるんだろうと。そのほかに、歴史の繰り返しの中で、戦災があり、阪神・淡路大震災があり、また、大雨での土砂災害があり、そして、最近では火山の爆発があったわけであります。余りにも、風化してはいけないことだらけになっているのだろうと。だから、釜石の惨事を受けて、当然、時がたつにつれて、人それぞれの中で風化は進んでいくんだろうとは思うわけですけれども、やっぱり風化させてはいけないと思うわけであります。当局の風化の対策をお聞きいたします。 以上、壇上からの質問を終えて、時間がありましたらば、自席から質問いたします。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(海老原正人君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 小鯖議員の御質問にお答えをいたします。 東日本大震災にかかわる今後の風化対策についての御質問でございます。 近年、各地域で、火山の噴火、集中豪雨による土砂災害などの自然災害が相次いで発生しております。当市においても、過去から津波災害が繰り返され、東日本大震災では1000人を超えるとうとい命が失われました。しかしながら、これらの災害から年月が経過するにつれて、その関心は薄れてくることは否めず、これまで先人が残した教訓が十分生かされてきたとは言えない状況もあります。 このことから、当市においては、特にも、東日本大震災という未曽有の災害経験から何を学び、何を未来に生かすのかを真摯に考え、震災を後世に引き継ぐ地域文化の醸成を図ることが必要と考え、震災直後から検証の取り組みを進めてまいりました。 平成23年度には、釜石市東日本大震災検証委員会を設置して、情報通信など16項目にわたる検証結果を踏まえた検証報告書を取りまとめました。 平成25年度には、震災時の住民証言の整理分類などを行い、被災地の住民を主体とした検証委員会を開催して、検証報告書「津波避難行動編」と取りまとめるとともに、避難することを実践し続け、その文化をつくるなど、「津波避難の教訓案」を作成いたしました。これに加え、「釜石市鵜住居地区防災センターにおける東日本大震災津波被災調査報告書」と取りまとめたところであります。 平成26年度には、「災害対策本部編」「学校・子ども関連施設編」「避難所運営編」「地域編」の検証報告書4編を取りまとめ、対応状況、課題、対策等の整理を行いました。また、これらの検証作業とあわせて、被災者などを対象とした震災時の行動などに関するインタビューの実施、市内定点撮影、写真などの思い出の品の記録保存を行ってきたところであります。 今年度については、これまでの検証成果をもとに、地震発生から避難所閉鎖までの期間において、震災から学んだ教訓を総括的に取りまとめることとしております。 これらの検証、記録保存作業を実施、継続することはもとより、震災の風化を防止するため、各地域では、災害の発生に起因した祭事などが伝承されております。当市においても、津波災害を記憶にとどめるため、「新春 韋駄天競走」、被災地に桜を植樹する活動、相撲甚句の節に乗せた歌による伝承活動、津波記憶石の設置、ボランティアによる被災地の紹介などが、住民による自主的な活動として行われております。 当市といたしましても、震災の記憶や経験、教訓が、家庭、地域などを通じて後世に語り継がれる地域文化が育まれるよう、これまでの検証成果を、今後、震災誌の発刊、防災意識の向上につなげる防災市民憲章の制定、地域防災計画の改定などに反映させるとともに、災害から主体的に身を守るための防災教育の一層の充実が必要と考えているところであります。 また、震災メモリアルパークの整備に向けた基本構想では、メモリアルパークの果たすべき機能として、震災の犠牲者を悼む、震災の経験や教訓を伝える、防災を学ぶなどを掲げており、これらの考え方を踏まえて、防災学習施設等の整備を行うこととしていることから、これら施設の活用も図りながら、風化対策に努めてまいりたいと考えております。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き、若崎副市長並びに総務企画部長が答弁をいたします。 ○議長(海老原正人君) 若崎副市長。  〔副市長若崎正光君登壇〕 ◎副市長(若崎正光君) 私からは、復興まちづくり基本計画の進捗状況について、及び現在復興まちづくり基本計画での課題は何かとの御質問にお答えします。 まず、復興まちづくり基本計画の進捗状況についての御質問ですが、復興まちづくり基本計画では、基本理念や基本方針に沿った7つの基本目標のもと、118の実施施策を掲げ復興事業に取り組んでおり、昨年度取りまとめた実施施策の進捗状況としては、全118施策中、「達成」が23施策、50%以上の進捗状況と判断される「実施中」の事業が43施策となっており、進捗率が50%未満の「一部実施中」の47施策と合わせると、9割以上の施策に関して、事業実施、あるいは事業着手している状況となっております。 暮らしの再建に向けた事業の進捗状況としては、土地区画整理事業や防災集団移転促進事業などの面整備事業は、事業を実施する全ての地区で施工業者が決定し、事業に着手しており、また、災害復興公営住宅は、整備計画戸数約1300戸のうち402戸が完成し、建設工事を発注している状況は7割以上となっております。 なりわりの再生や産業の振興に向けては、被災事業者の事業再開への支援として、仮設事業所の整備やグループ補助金等の国・県・市の補助制度を活用した復旧支援を行ったほか、中心市街地東部地区の再生については、都市機能の充実と拠点性の高いまちづくりに向け、これまで大型商業施設及び市営大町駐車場がオープンしたほか、公民連携による取り組みとして、釜石まちづくり株式会社が管理運営する共同店舗、タウンポート大町がオープンし、今後は、大型商業施設と既存市街地をにぎわい空間でつなぐ南側広場が完成するほか、市民ホールや情報交流センターの整備や飲食店街の再建に向け取り組んでいくこととしており、商業とにぎわいの拠点づくりを進めてまいります。さらに、魚のまちの復活に向けた新浜町の第2魚市場や、各漁港施設の復旧整備による水揚げ機能の回復、強化を図るとともに、旧釜石警察署跡地への水産系物流企業の誘致に取り組んでまいりました。 また、安心して子育てができる環境整備として、被災した学童育成クラブの仮設整備を早急に実施したほか、地域包括ケアシステムや見守りネットワークの再構築に向けた取り組みや、被災した学校や集会所など、公共施設の復旧整備を進めております。 今後も、一日も早く復興がなし遂げられますよう、復興事業に取り組んでまいります。 次に、現在、復興まちづくり基本計画での課題は何かとの御質問ですが、復興計画の課題としては、ほとんどの復興事業について実施、あるいは事業着手している進捗状況ではあるものの、土地の取得が膨大な数に上った上に、相続未了による共有土地への対応や移転補償など、用地取得及び土地利用計画策定に時間を要したこと、また、資材や労務単価の高騰による入札不調などに起因して当初の計画よりおくれが生じている施策もあることから、復興事業のスケジュール管理を徹底した上で事業を実施していかなければならないことが挙げられます。 また、復興公営住宅の完成や宅地の引き渡しなど、被災者の生活再建が本格化していく中で、新たなコミュニティーづくりや心のケア、見守り環境の充実に一層努めるとともに、生活再建の意向が固まっていない方の意向確認を進めることで、全ての被災者が一日も早く生活再建ができ、新たな環境で安心して生活が送れるよう取り組んでいかなければなりません。 さらに、人口減少や少子化対策として、なりわいの再生に向けた取り組みを引き続き実施していくことに加えて、U・Iターン施策の充実や若者定着事業・人材育成事業などに重点的に取り組むとともに、三陸地域が連携しての地域活性化策の検討などにも取り組んでいかなければなりません。 このような取り組みを一つ一つ着実に形づくっていくとともに、復興計画においては、平成26年度からの3年間を、希望や可能性を追求した取り組みによる復興を進める期間と位置づけていることから、ラグビーワールドカップの開催や橋野鉄鉱山の世界遺産登録などを契機とした、将来のまちづくりにつながる施策にも積極的に取り組む必要があるものと考えております。 ○議長(海老原正人君) 総務企画部長。  〔総務企画部長正木隆司君登壇〕 ◎総務企画部長(正木隆司君) 私からは、公共施設建設やインフラ整備において、平成28年度より復興事業費の1%から3%の自治体負担が求められる中、今後の財政見通しについての御質問にお答えします。 東日本大震災の集中復興期間は、平成27年度までとされており、来年度以降の復興事業費に係る自治体の負担をどの程度求めるのかについて、これまで国と自治体の間で議論されてきました。その結果、復興事業費の1%から3%を自治体が負担する方向となっているところですが、復興事業においては、今後、市の一部負担がどの時期にどの程度生じるのか、個々の事業の予算執行スケジュールを精査しなければなりませんので、現時点においては、新たな財政見通しをお示しすることは難しい状況となっております。 なお、昨年12月の財政見通しでは、平成26年度から復興まちづくり基本計画の中期3年が始まり、復興事業が本格化し、事業費が非常に多額となっている中で、財政見通しを事業費ベースで示すと通常の行政の姿が見えなくなるため、標準財政規模とそれに対する歳出経常一般財源の額を対比させ、市税や普通交付税などの経常的な収入で通常の行政運営が賄えるかどうかをお示しいたしました。その際には、平成30年度以降は、標準財政規模の範囲内で行政運営が厳しくなり、財政調整基金を取り崩すこととなるほか、平成32年度には実質公債費比率が18%を超え、地方債協議団体へ移行する見通しとなりました。 一部負担分については、財政の悪化要因となりますので、個々の事業についてさらなる効率的な執行に努めていかなければならないものと考えております。したがいまして、今後の財政見通しにつきましては、決して楽観できる状況ではございませんので、まち・ひと・しごと創生など、将来を見据えた分野へ重点的に予算を配分し、財政運営を行っていくことが重要であると認識しております。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(海老原正人君) 小鯖利弘さん。 ◆8番(小鯖利弘君) 再質問ですけれども、最初に風化についてということで。 御答弁いただきましたけれども、不十分だというか、私が望んでいた風化対策というのはこのような形ではない。というのは、今市長のほうから言われました「韋駄天競走」とか、桜を植樹するとか、相撲甚句に乗せた、また、津波記憶石の設置等と言われているんですけれども、これは、一部の人しかなかなか携われない部分もあります。後段のほうでは防災学習センターを整備するというんですけれども、やはり、それにとっては予算が伴う。 私が一番これを風化しないで伝えていただきたいのは、子供たちです。震災以降、おおむね800人ほどの子供が生まれているわけです。この子供たちは、いずれ幼稚園に入り、小学校に入り、中学校に行くんですけれども、釜石で生きていく子供たちに、地域の学校教育の中で津波のすさまじさと悲惨さを教えていっていただきたい。1年に1回の特別学習でいいと思うんです。その中で、地域のボランティアの講師もいますし、学校の先生の中でも津波を経験した人がいるわけであります。子供たちに伝えることによって、それはどんどん後世に伝えていかれるものだと。大人は大人で、風化は仕方ないと思います。物忘れもありますから。ただ、子供たちがこれを忘れてはいけないんだろうなと、私は感じたわけです。 学校の教育の中で津波の悲惨さを教えるということは、決してお金のかかることではありませんが、時間は必要とします。再質問の通告もしておりませんけれども、教育委員会側で、子供たち、それから、これから入ってくる子供たちに津波の悲惨さというのを伝えていっていただきたいと思うんですけれども、その辺の御見解をお聞きします。 ○議長(海老原正人君) 学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐々木猛君) 風化対策と子供たちの教育についての御質問でありますが、市のほうでは、平成25年度から教育研究所に組織を位置づけて、防災教育を核とした「命の教育」というのを推進しております。これは、平成16年から市が取り組んできた防災教育を通して、自他の命を大切にする子供、郷土を大切にする子供を育てたいというふうな趣旨でございます。各小・中学校においては、この「命の教育」を今後も推進していくことが、まさに、今御指摘いただいたように、風化対策の教育委員会の使命だというふうに思っております。 内容につきましては、今までの「津波防災教育のための手引き」等を中心に行っておりますが、例えば、道徳等を用いて心を耕すであるとか、または、今回の東日本大震災の内容をどのように伝えるか、内容については今後も工夫をしていきたいと思っておりますけれども、いずれ、防災教育を核にした「命の教育」を通して、風化対策を教育委員会としても推進していきたいと考えております。 ○議長(海老原正人君) 小鯖利弘さん。 ◆8番(小鯖利弘君) ことし、昨年と、私、実は、沖縄のひめゆりの塔と長崎の原爆、広島の原爆へ行ってきて、そこに地域の子供たちが来て、戦災の恐ろしさというものを目の当たりにして勉強していたんです。それを見たときに、やはり、現地に連れて行くということよりも、施設があってもいいんですけど、その中で確かな教育をしていくということが今後求められるんだろうなと。私はその教育を受けてないので、どんな教育かわかりませんけれども、ぜひ、そこはしっかりやっていただきたいと思います。風化については、この程度で。 次は、財政であります。 これから27年度以降に予定されている大型事業がありまして、そのうち、市債というのが大体45億程度見込まれるという予定になっているわけであります。釜石の財政の分析をすればちょっと長くなりますが、今から60年ほど前、二度の財政再建団体に陥っているわけであります。その陥った原因はどこにあったのか、簡潔に説明をお願いいたします。
    ○議長(海老原正人君) 財政課長。 ◎財政課長(高橋康明君) 過去の財政再建団体になったときの原因ということですけれども、一度目は昭和31年ということになりますけれども、昭和30年に市町村合併があったわけですけれども、その際に旧市町の赤字を引き継いできたということがございます。当時、朝鮮戦争に伴う財政の急激な膨張ですとか、あるいは、戦災復興による施設整備事業の増大といったことによりまして、財政規模の縮小ができないまま赤字を招いたといったような状況にあったと。ただし、この時期は全国的な傾向だったということでありますので、地方財政制度の制度的な欠陥といったものも裏側のほうにはあったのかなといったところでございます。当時は、折からの高度経済成長という波がございましたので、税収が計画を上回ったということで、自主再建できたというふうな理解をしてございます。 二度目につきましては、昭和41年になりますけれども、昭和37年度からの赤字によりまして、41年度から44年度再建計画を策定して、このときは、地方財政再建促進特別措置法を準用して再建に当たったというふうな経過がございます。このときの原因につきましては、高度成長政策から安定成長への切りかえによる税の減収ですとか鈍化、それから、釜石小学校とか大平中学校の改築、あるいは、中妻地区の都市計画事業など、大規模事業への多額の財源の投入があったと。一方では、人件費の膨張による財政の硬直化といったところも原因の一つと言われておりますし、一方、歳入では、鉄鋼不況による法人市民税の減収といったことで、大幅な歳入不足を来したというところで、37年度には6000万円ほどの赤字、38年度につきましても、法人市民税が回復しない中で、加えて高校生徒急増対策事業と、多額の財源を必要とする事業があったといったふうな結果で赤字が4億円以上に膨らんだといったところで、再建計画を策定して、再建に当たる結果になったといったふうな理解をしてございます。 ○議長(海老原正人君) 小鯖利弘さん。 ◆8番(小鯖利弘君) 今回、27年度以降の大型事業費を展望してみますと、その中で標準財政規模で見ますと、経常一般財源を差し引いた赤字が出るのが平成30年度からというような予測が立てられているわけであります。先ほどあった答弁でも、平成32年度には実質公債費率が18%を超え、地域再建協議団体に移行するということが見えているわけであります。 過日、実は、東京の府中市と厚木市を行政視察してまいりました。厚木市も府中市も、財政力指数は1.0を超えた優良団体です。釜石は、私が議員になったときは多分0.5を超えていたと思うんですけれども、今は大体0.41まで財政力指数が低下しているということになりますと、岩手県内で見ますと良好な状況にはあるわけですけれども、決して楽観視できるわけではないと。これから内陸に比べれば大きな事業を抱えているということを考えると、財政にかかる負担が大きくなっていくんだろうと予測するわけであります。 今、なぜこの時期にこれを言ったかというと、来年の3月まであと9カ月ほどありますけれども、折り返し地点まで行った場合に、本当にこのまま健全な財政計画を立てられるかというと、いささか疑問というか、もう見通しの中では赤字になると出ているわけです。それで、中期財政見通し、長期財政見通しを出してくださいと言ってもなかなか出せないという中には、その箱物の決断ができてない。つくるかつくらないかができてない。 例えば、学校給食センター、あと4年ほどで土地の賃貸の契約が切れるという中で、そのままそこにいても、当然賃貸料を払わなきゃないし、今あったような衛生上の施設が完備できているかというのもすごく疑問視されるところであります。私は、小学校に入学したのが大渡小学校だったんですけれども、そこは完全給食で、その学校の中で給食をつくって提供していただいていた。多分釜石で、大渡だけが唯一の小学校だったように記憶しているわけであります。その記憶をさかのぼって、これから学校を建設する唐丹とか、東中学校も建設を予定されていますけれども、本来であれば、その中で施設をつくってもよかったのかなと、今思えばです。ただ、その財源となるものがどこから持ってくるかというのもあるし、今の施設が使えないわけでもないのでわかるんですけれども、やはり、そのような効率的に施設を運営していく、管理していくということが求められる。 府中市と厚木市の話をしたんですけれども、今、釜石は、一般会計でいくと年間約170から180億です。府中市は990億ぐらい、厚木市も800億近いと思います。これを、金額を家庭で変えたらば、釜石は年収が180万、府中市は990万、厚木市は800万の所得があるんです。それにもかかわらず、府中市も、昔の古い市役所を長寿命化を図りながら、ほかの施設も図りながらやっていくというんです。釜石という家庭は180万円しかないのに、市役所も建てる、それから、学校教育センターも建てる、市民文化会館も建てる、体育館も建てる。本当にこれでもつんでしょうかという疑問が湧いてきたわけです。だから、何でもかんでも建てるという方向性に持っていきますと、破綻が目の前に来るのが当たり前です。もう一度、来年の3月までにゆっくり検証する必要があるかと思いますけれども、御見解をお聞きします。 ○議長(海老原正人君) 山崎副市長。 ◎副市長(山崎秀樹君) 公共施設の再配置、あるいは建設の見通しということでの、大変厳しい御意見をいただきました。これについては、復興・復旧の計画の中で、失われた施設については復旧をするということを前提にしながら、まずは事を進めるということが、一つ前提にございまして、それに加えて、今まで懸案であった施設整備、例えば、市役所については、30年来の釜石市の大きな課題の中で、市庁舎を建てるべきだ。つまり、市民のサービスに対する要望に対して応えていくべきだという、そういう両面性があって、今一つになって、全部つくんなきゃないという状況の中にこれはあるんだと思います。 そういう中にあっても、やはり、今の時代ですから、財源があって、そして、それなりの土地があって、見通しがあって、そして、人のかかわりがあって初めて成り立つ。そして、建設できる土壌というのがそろわなければ、それは建設しても無意味というよりも、効果的ではないという、小鯖議員のおっしゃるとおりだと思います。それを踏まえた中で、今回の財源見通し、あるいは絶対必要となる施設としての、つまり復旧としての、釜石市に最低限、あるいは、これが絶対必要だという部分での厳選をした中でのまちづくりを今回の復興計画の中でお示しをしているという部分を、まずは御理解をいただきたいと思います。 一方、財政問題としての考え方として、このままでいいのかというお話です。確かに、そこの部分については反省をしながら、なおかつ、その財源の見通しを立てながら進むというのは、これは行政の自立的な運営という点では絶対必要なことでありまして、ここを離れて、財政再建団体に陥る要素があるという、一番厳しい見通しを示したわけですけれども、そこの中に、やはり、私たちの行政なり、あるいは市民一丸となった工夫の中で、新たな財源を見つける、あるいは、新たな予算をふやすためのそういう努力を並行してやっていくことが、必要なんじゃないかなというふうに思っています。 今のままの財政状況、小鯖議員がおっしゃるとおり、財政見通しがないままにこれを進むのかということなんでしょうけれども、そこを、あえていろいろな計画を取捨選択しながら、なおかつ、規模等が身の丈に合ったという部分を含めながら、進めていくということが必要なんではないかなというふうに思っております。 ○議長(海老原正人君) 小鯖利弘さん。 ◆8番(小鯖利弘君) わかりました。 過日の同僚議員の質問の中に、市長から、優先すべきは仮設住宅で不自由な生活を強いられている人だというような答弁がありました。間違いないと思うんですけれども。今この計画を大筋で見ていくと、何やら公共施設のほうが先行してしまって、この施設ができ上がった後に復興住宅ができてしまうんじゃないのかなと。まさに、もうできてしまうものもあります。今、復興住宅の答弁もありましたけれども、本来は、仮設住宅に住んでいる方が速やかに復興住宅に移行できるような環境を整えた中で、並行しながらだったらいいんだけれども、最初に公共施設が全部できてしまって、その後に復興住宅というのは、言っていることとやっていることが違うんじゃないかというようにも捉えられるわけであります。 ちょっと言い方を変えます。くどく言いますけれども、来年後半に向かうわけですけれども、私は、市長の立ち位置を一度変えていただきたいと思います。今、私から見える市長の走り方は、先頭に立ってどんどん馬車馬のように、公共事業、これはつくるという。これは悪いことではないかもしれません。端から見れば、それができることによって復興があたかも進んでいるように、多分進んでいるように見えると思います。でも、今仮設住宅に一人で住んでいるお年寄りが何人いるか、2人で住んでも高齢の方が何人いるかと考えると、なかなかむなしいというか、どうにもならないという、やりきれない気持ちにもなるわけであります。 市長には、来年の3月になるまでに、一度仮設住宅で暮らしているその人たちの行列の船尾、一番後ろに行って、あなたたちを私は置いていきませんよと、一緒にこの復興をしていくまちの中で歩んでいきましょうと。もしかすると、彼たち、彼女たちは、「私たちのことは置いていっていいから、前にどんどん若い人で進んで」と言うかもしれません。でも、私は、本当にそれでいいのかなという疑問はあるんです。だから、市長、もう一度その行列の後ろに立って、声をかけていただけないでしょうか。御答弁をお願いします。 ○議長(海老原正人君) 市長。 ◎市長(野田武則君) 議員のおっしゃることはまことにそのとおりでございまして、気持ちの上では、議員のおっしゃっているとおり、そういう気持ちで今取り組んでいるつもりではございます。ですから、事あるごとに、被災された皆さんの再建が第一義だということはたびたび申し上げておりますし、また、最後の一人まで心に寄り添いながら、その方の再建まで行政がちゃんと寄り添っていきますよということも、たびたび申し上げてきたつもりでございます。 ただ、一方では、その方々がもともと住んでいた場所、あるいは、新たな再建に戻るときに、その場所が、果たして自分たちが住んでいける場所なのかどうかということも、お示しをしなければならないというふうに思っております。ですから、復旧というのは、復旧と同時に復興も、復興という言葉の中には復旧も入っているんだと、これはセットでやっていかなくちゃないんじゃないかというふうなことから、釜石市としては、この復旧・復興というものを一緒にスタートさせていただいています。 ほかの地区と比較するのはいかがかと思うんですが、例えば、陸前高田のような、都市の真ん中が全部被災されて、全部かさ上げをして、そこにまた住宅を再建したり、あるいは商店を再建するということになりますと、本当に何年かかるかわからない状況の中で、今皆さん一生懸命取り組んでいます。 釜石におきましても、例えば、鵜住居もそのとおりですし、各地区もそういう状況なんですが、幸いこの東部地区については、いち早く再建をできる場所にさせていただいたわけでして、これは釜石全体の、震災で、まさに、この釜石が果たして従来の釜石のまちとしてやっていけるのかどうかという大変厳しい状況の中で、いや元気だと、まだまだ釜石はこれから復興していくんだよと、釜石のみならず、三陸の牽引役もしていくんだと、こういうのろしを上げながら、市民の皆さんを初め、被災された皆さんが、前を向いて、元気になって復興に取り組んでいくんだと、こういう姿勢を示すことも必要だろうということから、特に、この東部地区においては、いち早く住宅の再建、あるいは商業の再建ができる場所として位置づけて、東部地区は商店街の拠点性のある場所だと、東部地区がこれからの釜石の中心街だというようなことも申し上げてきたわけです。本当は、全部の地区をそう言えばいいわけですが、現実問題としてかさ上げがあるわけですから、それはなかなかできなかったということで、その点は申しわけなく思うわけですが、ただ、やれる範囲の中では、そういう形で取り組んできたということでございます。 ですから、決して被災された皆さんをおろそかにしているわけではございませんで、被災された皆さんが再建するために、あるいは釜石にとどまってもらうために、あるいはまた前に住んでいた場所に戻っていただくための政策であるということを、ぜひ御認識をしていただければありがたいなと思っているところでございます。 ただ、財政問題についてちょっと話をさせていただきますと、先ほど副市長にほうから申し上げましたが、だからといって、何でもかんでもつくればいいということではないわけでして、今進めていますのは、復旧、つまり、失われたものをまず建てかえるということからスタートしているところでございまして、新たに設置するものというのも若干ありますけれども、それは、議員の皆さんの御意見をいただきながら、真摯に、現状、あるいは財政問題も受けとめながら建設をしていくということでお諮りをしているところでございます。ですから、まずは、失われたものについてはちゃんと復旧をさせていただきたいと思っているところでございます。 先ほどお話がありました実質公債費比率18%とか、いろいろな数字が出ていると。こういう厳しい計画を示しているわけだから大丈夫なのかと、これは当然の御指摘なわけですよね。ですから、我々としては、そうなるということをわかりながら前に進むということは、これはあってはならないわけでして、これは改善をしていかなければならないと思っています。 ですから、今担当者のほうにも、この財政計画については早急に、本当は、集中改革プランが28年度に終了ということだと思っていますが、ですから、復興計画も、前期3年、中期3年の6年で、後期4年ということなので、この6年というのが一つの峠だろうと思っています。つまり、28年度が一つの峠だと思っていますので、いわゆる29年度から、まさに、本格的に財政というものも見ていかなければならないと思っています。したがって、その前に、つまり、27年、28年度中には、そういった方向性をちゃんとお示しをして、前にこういった厳しい計画を示したけれども、何とかこれでやりくりできるんだというところの計画を、やっぱり示していかなくちゃないと思っています。 そのためには、やはり、税収を上げる、歳入をふやすと。そのためには、定住者をふやす、人口をふやす、あるいは産業を起こして法人税をふやすとか、そういった、いわゆる歳入をふやす方法を考えていかなくちゃない。それから、当然のことですが、歳出の削減を図っていかなければならないわけでして、そうした場合に、どうしても一番の課題は維持管理ですよね。いろいろなハード面の維持管理費をどう削減していくかと。そしてまた、それと付随して人件費の削減ということ。このところが大きな課題になっていくんだと思います。 そういう意味では、今から手をつけながら、そういう計画を示していかなければならないと思っています。これは、議員に何度か御指摘をいただいていますので、これは全くそのとおりだと思います。議員の皆さんがいろいろと疑念に思うところがあるということは、市民の皆さんも同じことだと思っていますので、そういう意味では、市民の皆さんにも、そういった市が今取り組んでいる状況について理解をしてもらうためにも、そういった再建計画といいますか、財政計画、それをきちんと示していかなければならない。 それとあわせて、ハード建設に向けて取り組んでいくということをしていきたいなと、こう思っておりまして、今、27年度はなかなか難しい状況ではございますが、28年度には、そういったものをちゃんとお示しをして、皆さんの御理解をいただきながら、この復興に向けて取り組んでいきたいと、こう思っているところでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○議長(海老原正人君) 小鯖利弘さん。 ◆8番(小鯖利弘君) 28年度の計画には、私はちょっと間に合いませんのであれですけれども。 一つお願いです。今、地域会議をやっております。今、市長のほうからも、財政のことも含め、産業界、商業、製造業も含め、いろいろな御意見、答弁があったわけですけれども、5年目を迎えて、これからいろいろな箱物が出てきます。今、読めないものの一つが歳入です。要するに市税、これがどうなるかというのが全く読めないわけでありまして、ぜひ、商業、工業を含めて、年に一度ほど、一堂に会していろいろな意見交換をしていただきたいなと。その中で、多分いろいろな要望があると思うんです。商業は商業、工業は工業なり、また、漁業は漁業であるかもしれません。やっぱり、そういう産業構造を構築するような方々と、年に一度でも二度でもいいですから、交流する、意見交換することによって、もう少し希望の光が見えてくるんだろうなと。 今、先にあるものがなかなか見えづらいから。見えているのは箱物だけです。我々がこうやってどうするんだとやるのは、歳入が見えていない中で箱物の計画だけつくるから、ちょっと待ってという話になっているわけです。だから、もう少し地域の産業界の声を聞くことによって、短期はもちろんですけれども、やっぱり、中期、長期の構想を聞いた中で計画をつくっていく必要もあるかと思います。全部が全部構想を持っているかは別として、やっぱり、今まで聞いてきた地域会議の地域の長の声だけではなくて、産業界の声を聞いていこうよと。それを釜石の指針として新しいものをつくっていくということも、検討していただきたいということを考えているわけであります。 私もいろいろきついことも言ったかもしれませんけれども、やはり、それは心配だから言っているのであって、ぜひ、その辺は、折り返し地点までにもう一度再考していただきたいと思います。 時間はあるわけですけれども、飛ぶ鳥後を濁さずという言葉もあります。それで、お二方に質問して、終わりたいと思います。 まずは、田中事務局長さんにお聞きします。 釜石に来てちょうど10カ月を過ぎようかとしております。来たときから、釜石は多少なり進歩したかもしれないし、余り前に進んでないかもしれません。それは個人差があるので、どうのこうのということではないんですけれども、田中さんがこの釜石に来て、今の進捗状況等を、課題というので私は先ほど質問をしたわけですけれども、自分がこの短期間の中で何を感じたか、どう思ったかという感想を、まずお聞きしたいと思います。 それと、もう一方は、若崎副市長が、4年間という長きにわたり釜石に、何度もお酒も飲みましたし、気心も知れておるわけですけれども、やっとお役御免のところに来てしまったのかなという、非常に寂しい思いもしておるわけですけれども、この4年間を釜石で、本当に震災直後から来て、ずっと今まで見てきたわけです。 先ほど登壇して答弁もいただきましたけれども、釜石にとって、先ほど私が言っていた夢と希望というのは何だろうということであります。夢と希望とよく言いますけれども、辞書を引きますと、夢というのは将来自分が達成したいこと、実現できることとなっております。希望というのは、その事柄の実現を願い望むこと。当たり前の答えであります。ただ、夢と希望というのは人それぞれ違いがあります。みんな同じ夢と希望を持っているわけではありません。これから、エールというわけではないんですけど、こういうまちになっていただきたいという自分の本音と申しますか、自分の考え方をいただいて、私の一般質問を終わります。 ○議長(海老原正人君) 復興推進本部事務局長。 ◎復興推進本部事務局長地域包括ケア推進本部副本部長(田中透君) お答えいたします。 着任して間もなく1年になりますので、その所感ということで一言お話しさせていただければと思いますが、私が釜石市に着任いたしましたのが7月12日でございました。それで、総務課の職員の方に早速市内あちこちを案内していただきまして、鵜住居地区の鵜住居川のほとりだったと思いますが、そこから鵜住居を一望させていただいたわけですけれども、話にはたくさん聞いておりました、写真もたくさん見ました、ユーチューブで動画もたくさん見ましたけれども、やっぱり足が震えました。それと同時に、私も、こちらに来る前に復興の仕事を2年間財務省でやってきましたけれども、やっぱり、それはそれで一つの意義がある仕事だと思ってやってまいりましたが、復興というか、この震災というものを自分はどれだけ理解していたんだろうなというのが、非常に率直に、何ともやりきれない思いになったことを思い出します。 その上で、この1年間の取り組み、もちろん私だけの取り組みではありませんけれども、復興本部の一員として取り組んできたことをちょっと振り返ってみますと、まず、被災された各地区のまちづくり協議会の中で、ほぼ最終的な計画を御承認いただくような、ちょうどそういう局面だったと思いますけれども、そういったことにあわせて、先ほどから話題になっている住まいの再建に向けて、これは8月でしたけれども、区画整理事業における仮換地の指定ですとか、あるいは、東部地区の再分譲の意向の確認、それから、復興公営住宅の入居申し込みというものが年末にかけて行われたということで、そういったことに復興本部を挙げて取り組んできたわけでございますけれども、もちろん、不十分な点も多々あったと思いますけれども、復興まちづくり基本計画、中期3年のちょうど真ん中の時期ということで、一つの足場固めの時期になったのではないかなとは認識しております。 その上で、これも今まで御議論されたところですけれども、今後の課題として思っていますのは、まず一つは、もちろんですけれども、お示しした事業のスケジュールというのをきちっと守っていくと。今なお仮設にお住まいの皆様の生活再建に速やかにつなげていくということは、もちろん大前提だと思いますけれども、これも一昨日の質疑でもお話がありましたけれども、今なお生活再建に向けた道筋というものが描けていない方々というのが多数おられるという中で、そうした方々への支援というか、伴走というか、そういったことをしっかり行っていかなければいけないんじゃないかなというふうに思っています。 長くなりましたけれども、1年前に来たときに比べれば、確かに、ハードの面で物すごく工事が進んでいて、例えば、嬉石のところですけれども、本当に気がついたら道路が切りかわっているとか、そういうことが、確かに私自身の復興感というものにつながってはいるなと振り返れば思うんですけれども、ただ、いわゆる心の復興というか、被災された方々の復興感というのは、果たして、やっぱりそういうものではないんじゃないかと。そこは、どうしても、私自身、復興本部の一員でありながら、やはり、そこは本当に理解できているのかというのは、時々苦しい気持ちがございます。 その中で、ちょっと興味深いデータがありましたのでつけ加えさせていただきますと、新潟県の中越地震が2004年にありましたけれども、それから8年後の2012年に、被災された方にアンケートをとったと。2つのことを質問していて、ハードは復興したけれども、あなた自身は復興したと感じますかという質問と、あわせて、あなたはどの程度復興活動みたいなものにかかわってきましたかという2つの質問をしたそうです。その結果、興味深かったのは、いろいろなまちづくりでも、NPOでも何でもいいですけれども、復興活動に積極的にかかわったというふうに思っている方ほど、復興したという実感が強いというような正の相関が出ていると。そういうところから得られる学びというのはあるのではないかなと思うんですけれども、一つは、主体性ということと、やっぱり、参加というこの2つです。この2つを、市役所が与える復興じゃなくて、市民の皆様が主体性と参加というものを持って一緒に取り組んでいくことが、復興感というものにつながっていくのではないかなというふうに、1年たって私自身理解しておりますけれども、まだまだ至らないと思いますけれども、今後ともよろしくお願いいたします。 ○議長(海老原正人君) 若崎副市長。 ◎副市長(若崎正光君) じゃ、御指名ですので、私のほうから、4年間を振り返ってということですので、少しお時間をいただきましてお話します。 私は、震災の年の3月の被災当時は八戸にいたわけです。八戸で、被災3県はどうして岩手県、宮城県、福島県なんだと、青森県もこんなに大きな被害を受けたではないかというふうに思っていました。しかし、その年の6月にこの釜石に着任して、ああ、やっぱり3県と青森県は全然違うなというふうに思いを改めましたのは、港の被害は全く同じであっても、町の被害が全く違う。そして、町が全て流されたことによって、そこで死者が釜石は非常に多い。釜石の市内だけでも1000名を超える方がいらっしゃった。八戸はたったの1名なんです。だから、それは防げば防げたという避難形態でした。したがって、これが全く違うので、この土地でどうやってまちづくりをしていくのかなというふうに、本当に頭を抱えたのを覚えております。 そして、4年たって今にあるわけですが、したがって、私は6月3日に登庁いたしました。そこで市長から辞令をいただいて、最初の日が、午後から臨時議会だったんです。そのときに議論されたのは、鵜住居の学校の建設地のあり方、紀州造林の跡地に建てるのはいいけど、それは仮設なのか本設なのかといった議論で、夜の8時まで、大変熱心な意見を交換されたのを覚えております。そして、その週末には、松倉でシーウェイブスとヤマハ発動機ジュビロのラグビーの試合で、向こうの胸をかりて試合をするといったことで、その場で私が支援物資をいただくというのが初仕事だったわけですが、そこで大漁旗を振って、市民が「シーウェイブス頑張れ」という声援を送ったことを鮮明に覚えていまして、これがやっぱり釜石なんだなといったことを、改めて思いをいたしました。 したがって、市民と一緒に頑張ろうという思いで4年間やってまいりましたけれども、まだまだ進捗状況は十分ではないということは、先ほど申し上げております。でも、着実に前進していると思っていますし、この歩みを緩めることなく、どんどん進めてほしいと思っています。 そして、釜石の夢と希望ということを問われましたので申し上げますと、教育長も釜石の子供たちは底力があると、私も本当にそれは同感でございます。そして、釜石そのものに、実は底力があるんだといった、つまり、釜石は選ばれやすい場所であるというふうに実感しております。なぜかというと、例えば、震災後「啓開」という言葉が盛んに使われました。道路の啓開、港のこともそうなんです。航路の啓開。船が入ってくるために港をあけるのが啓開。よその港は、掘らなければ船が入って来れない状況だったんですが、釜石は浮かんでいる物を片づけるだけで大きな船が入れた。これは、本当にこの港の大きなポテンシャルです。港が深い、そして、湾口防波堤が復旧すれば、震災の当時、10Tのオイルタンクが流れ出なかったですし、ジブクレーンが流出しませんでしたし、石炭の山があったとはいえ、沿岸南部クリーンセンターが7月から稼動できた。これは、港のそばにありながらこれほど被害が小さかったというのは、よその港にはないわけです。そういう意味では、釜石の港のポテンシャルが大きいですし、あと、この港を活用して、内陸部とつなぐ道路が、縦軸、横軸、無料で高規格道路ができる。それも平成30年に供用されるといったことを国交省に発表していただきました。こういうインフラを考えますと、釜石には非常に大きなポテンシャルがある。それから、新日鐵住金やSMCといった大企業もありますし、ものづくり産業が非常に元気だといったことが、釜石の特徴だと思っています。 こういうところに着目して、実は、海洋再生エネルギーの実証フィールドを国が選定してくれたわけです。これは、釜石の可能性を評価してくれていると思っています。したがって、もっともっと釜石の持つ資源を生かしてくださいといったメッセージだと思っています。したがって、これはスタート地点で、これからがまさに問われると思っていますし、あと、今は原発の依存度を下げるために火力発電所がフル操業をしていますが、CO2削減といった観点になれば、いずれは低炭素社会のためにCO2削減のエネルギー開発。そうすると、LNGが出てくるわけです。そうすると、釜石は、まずその候補地になっていくだろうというふうに思われます。これも、釜石の大きなポテンシャルだと思っています。 それから、岩大が改組されて水産コースができますよね。若者がこの町に学びのために来るといったことも、非常に大きなポテンシャルになりますし、何よりも、よそ者が釜石に来て、よそ者こそ、釜石に夢と希望を感じて飛び込んできています。そして、今釜石でどんなことがやられているかというと、幾つかありますが、少しだけ申し上げると、リクルートを使って新規採用職員を採用している会社があります。あるいは、未来創造塾で釜石の人材育成ということで、東北未来創造イニシアティブが頑張ってくれています。これはもう3期まで塾生が来ています。それから、六次化研究会で海まんプロジェクトとか、あるいは、育成センターを通じて輝の御剣、エイワさんのコバリオンを活用した取り組みとか、これらは、地場の企業の付加価値を高めるための活動をしてくれていると思っています。あと、市民力を向上させるために、「釜石◯◯会議」といったことで、本当に、若者からお年寄りまで、世代を問わないいろいろな人が集まって、自分たちが主体性を持ってまちづくりにかかわっていこうといった取り組みが始まっていますし、あるいは、空き家等の話がありましたが、曲り家を復活させるプロジェクトなども動いています。 いろいろな意味で、釜石にそういうおもしろい取り組みがたくさんできるということで、よそから人が飛び込んできてくれていますので、こういう方を大事にして、そこで問われるのは、よその人の力をかりるだけではなくて、市民がもっと当事者意識を持って、自分たちがやっぱり頑張っていくという姿勢をあらわすことだと思っています。 「希望学」という取り組みがありました。私も読ませていただきましたけれども、釜石に希望は本当にあるのかといったアンチテーゼから始まっていますが、いや、希望はあると。それは、釜石に頑張っているキーパーソンがいるからだということだと思っています。しかし、そのキーパーソンがうまくつながっていないので、もっともっと頑張れば希望はさらに広がるといったことを、あの本は訴えていると思っていました。したがって、もっともっと釜石の資源をうまく使って頑張っていけば、震災からの復興をなし遂げていけると思っています。 あと1点だけ補足させていただきます。議員がさっきおっしゃったとおり、復興は本当にマラソンだと思っていまして、まだ震災当時からほとんど前に進めていない方もいるかもしれません。でも、とっくにゴールしてしまっている方もいるかもしれないです。非常に長い取り組みの中で、個人の差がついているという状況だと思っています。したがって、行政は、最後の一人まで寄り添う、そのマラソンレースから落伍者を出さないといった取り組みが絶対必要だと思っています。それが行政の取り組みの一番重要なことだと思っています。そして、前へ進む人はどんどん行ってくれといったことで、背中を押すというところが大事だと思っています。一人一人が復興をそれぞれなし遂げていくと。つまり、市全体としての復興ではなくて、一人一人が復興をなし遂げていって、気がつけば、一生懸命前へ進んできたけど、振り返ればあれが復興だったなと本人が後で思えることになれば一番いいのではないか。それをみんなが共有すれば、真の復興につながっていくのではないかと思っています。 本当にお世話になりました。ありがとうございました。 ○議長(海老原正人君) 8番小鯖利弘さんの一般質問を終わります。--------------------------------------- ○議長(海老原正人君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。               午後4時33分閉会                          釜石市議会議長 海老原正人                          釜石市議会議員 菅原規夫                          釜石市議会議員 菊池 孝...